ダイヤモンドの輝き超えて

★ 異次元の輝き ページ3

「ダイヤモンドフレンズカップの優勝は······。

Love Me tearの、神城カレンと明日香ミライだ！」


かなりハイテンションな司会者さんの言葉に続き、

耳がキーン、となる歓声が、私の部屋中に長々となり響く。

画面のなかには、私、神城カリンの姉である神城カレンの姿と、

フレンズを組んでいる、明日香ミライさんの姿。


『はぁー。』


私は大きくため息をついて、使っていたタブレット端末の電源を消す。

二人の優勝を聞いてため息をついたのは、私ぐらいでしょうね。

なんて思いながら、そのままベッドに倒れこむ。

勢いよく倒れても、フカフカの寝具が優しく受け止めてくれた。


ベッドに倒れこんだり、ため息ををついたのがばれたりしたら····。

間違いなく、お母様に怒られるだろう。


「曲がりなりにも神城家の次女であろうあなたが！

　カレンを見習いなさい！」


と。でも、お母様。お姉様と違って、

私には、得意なことと苦手なことがあるんです。


それなのに、いちいちお姉様と比べるのは、なぜですか？

なぜお姉様と同じ道を歩まなければならないのですか？


答えが返ってこない疑問を、心の中で反芻する。


これが、面と向かって聞けたなら。

こんなことは、起こらなかったかもしれませんね。


自虐的な笑みを浮かべながら、私は「あるもの」に視線を向ける。

大きな赤いリボン。裾にレースがついた、青緑色のワンピース。

見間違えようもない、スターハーモニー学園アイドル科の制服。


嫌がる私の意見を聞くこともなく、お母様は学園の入学を決めた。

そのせいで、私とお母様の関係は今、いままで以上に最悪だ。


春休みなのをいいことに、ダンスやボイストレーニングの

レッスンを、山のように詰め込んである。

そして、家に帰ったらお説教。


「あなたがカレンのようだったら！あなたに才能があったら！」


毎日がこれの繰り返し。正直、とっても辛い。

でも、弱音を吐くことも許されない。


『私だって、お姉様のようになりたいとは思っています····。』


お母様の期待に答えられる、お姉様のように。

多くの人に囲まれる、お姉様のように。

私とお姉様は姉妹なのに、まるで次元が違う。

私にとってお姉様は、憧れでしかない。


ねえ。お母様。

私がお姉様のようになれたら。

その時は、お姉様と比べないで、褒めてくださいますか？

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