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ありがとう ページ48

沙代side

静かな部屋の中で

私と獪岳お兄ちゃんを待っていてくれた

沙代
「行冥さん」

行冥
「……沙代か久しぶりだな」

沙代
「……お久しぶりで、す
あのッッ……わた、わたし!!」

言わなきゃ

沙代
「ぎょうめ、いさんに言いたくてずっと!!」

言わなきゃ

沙代
「わ"た"し"!!」

ぽたぽた……涙が勝手にでてくる

涙なんかでてくるな

言わなきゃいけない伝えなきゃ自分の言葉で



"ごめんなさい"って


謝って謝って謝って、たとえ許してもらえなくても

行冥さんに謝らなきゃいけない

あの日、私がちゃんと行冥さんじゃないって

行冥さんは私と獪岳お兄ちゃんを守ってくれたんだって

答えられなかったせいで

行冥さんは殺されそうになったんだから

なのに

沙代
「ぎょう、めいさん」

言葉が上手く出てこない

行冥
「…ゆっくりでいい沙代
ちゃんと此処に居るだから
沙代の話を聞かせてくれ」

ッッ……!!

沙代
「…………ごめんなさい」

行冥
「…ああ」

沙代
「ちゃんと行冥さんじゃないって伝えッッ……られなくて!
守ってくれたんだって、ぇ言えなくて!!
ごめんなさい!!ごめんなさい!!」

言い出したら止まらなくなってしまった

沙代
「大好きなのにごめんなさい!!
ずっとずっと言えなくてごめんなさい!!
謝れなくてごめんなさい!!」

でも言い続けないとすがってしまいそうだから

沙代
「嫌いにならないでください
わたし、ごめ、ごめんなさい!!
ごめんなさ」

ふわりと大きな影が

やさしく包みこんでくれた

行冥
「もういい謝らなくていいんだ
沙代、お前があの時何歳だったか覚えているか?」

沙代
「?四歳で、す」

行冥
「ああ、たった四歳だ
あんなに怖いことがあって
冷静に答えることなど大人でも難しいだろう
……ずっと悩んで苦しんでいたのか
すまない、私とのことなど忘れて
幸せに生きていてくれているなら
私が会いに行くのは恐怖でしかないだろうと
思って敬遠してしまった」

沙代
「嫌われてないんですか?」

行冥
「嫌いじゃない」

獪岳お兄ちゃんが言ってた

ちゃんと謝ることも大切だけど

沙代の一番伝えたかった言葉を

忘れないで言ってあげてほしいって

沙代
「わたし…
ずっとずっと伝えたかった言葉があるんです
私たちのために戦ってくれて
ありがとう行冥さん!!」

あの時言えなかった感謝の言葉

行冥
「ッッ……此方こそ伝えに来てくれて
ありがとう沙代」

…あの頃と変わらない優しい笑顔

やっと会えた

今日ばかりは→←沙代



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ゆめのなか(プロフ) - 皆様、今で御愛読頂き誠にありがとうございました (2022年11月3日 22時) (レス) id: a13dab8379 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめのなか(プロフ) - 夢小説もついに完結しました(*^^*)え?終わってないだろ?いえいえ後は皆様のご想像にお任せの世界線ですとも(゚ー゚*){タブンハッピーエンド (2022年11月3日 22時) (レス) id: a13dab8379 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆめのなか | 作成日時:2022年7月21日 23時

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