全てを斬り捨てて ページ46
善逸side
……兄貴
俺を置いてくなんて酷い！！
酷過ぎない！？
巌勝
「……」
なんでこの人と二人きりになってっんの俺！！！
いや、兄貴が一人で
帰って行こうとして皆ついてったせいだけどね！？
俺だけ腕掴まれて追いかけられなかったし！！
善逸
「あのー……
離してくださいお願いします、いや本当」
離せ！！
いやいやこんなところでこんな怖い人と
二人きりにしないでえええええ！！！
巌勝
「兄のことをどう思っている」
善逸
「？兄って、俺の兄貴のこと？」
何が言いたいんだよ！！どう思ってるって何が！？
巌勝
「……そうだ」
善逸
「俺が兄貴をどう思ってるかなんて
アンタに関係ないだろ？
兄貴と伊之助に酷いことしたの
忘れたわけじゃないだろうし、もう離して
俺は兄貴のところに行かなきゃ」
巌勝
「…どうしてそんなにまで真っ直ぐ見れる？」
善逸
「……」
巌勝
「何故、嫉妬せずにいられる？」
善逸
「意味分からないんだけど」
巌勝
「兄の強さが理不尽だとは思わないのか
憎らしくはないのか？」
善逸
「別に」
俺は相手に向き直った
善逸
「俺は全部見てきた訳じゃない
兄貴の全てを知ってる訳じゃない
兄貴の努力も葛藤も
どれだけの仲間と死に別れた苦しみも
助けてあげられなかった人たちへ悲しみも知らない
嫉妬せずにいられる？嫉妬はするよ
だって兄貴より弱くて同じ場所で戦えなかった
支えにすらならなくて悔しくて堪らなかった
兄貴が憎らしいんじゃない」
そう、俺は
善逸
「兄貴より弱い俺自身が憎らしいんだ」
巌勝
「ッ…！！」
善逸
「どんなにもがいたって常に先に行く
そこに追い付けられない自分自身に腹が立つ
どうして置いて行かれるのか分からない
でもそれは俺が不甲斐ないせいだ
弱いせいだ
自分の弱さを
決して兄貴のせいにして逃げていいことにはならない」
巌勝side
私は縁壱のせいにして逃げていたのか
善逸
「本当ふざけんな！！」
巌勝
「！！」
善逸
「いつまでもいつまでも子供！！
守る対象！！俺は赤ちゃんか！！
怖い怖いって泣き喚いてばっかりで…
ほんと自分が大嫌いだ
それでもじいちゃんも兄貴も大好きだ
大切な家族だよ…
だから今度は手を取り合ってそれで……ぐす」
涙がずっと零れ落ちている
善逸
「アンタはどうして縁壱さんを憎んだんだ
縁壱さんはアンタにとって本当に」
巌勝
「あの日、気づいた時には自身で全てを斬り捨てていた」
真っ二つに斬れた笛と愛しかった筈の弟ともに
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ゆめのなか(プロフ) - 皆様、今で御愛読頂き誠にありがとうございました (2022年11月3日 22時) (
レス) id: a13dab8379 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめのなか(プロフ) - 夢小説もついに完結しました(*^^*)え？終わってないだろ？いえいえ後は皆様のご想像にお任せの世界線ですとも(ﾟーﾟ*)｛ﾀﾌﾞﾝﾊｯﾋﾟｰｴﾝﾄﾞ (2022年11月3日 22時) (レス) id: a13dab8379 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆめのなか | 作成日時：2022年7月21日 23時
