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頼ってくれ ページ9

善逸
「…それで
兄貴のこと……!」

ガシッ

善逸の手を掴まずには

いられなかった

善逸
「兄貴、安心して俺が」

駄目だ

獪岳(A)
「……気にするな」

それ以上、聞かないでくれ

話の続きを聞きたくない

いくら自称神様に愛し子呼ばわり

されていたとしても

この世界で異質な存在であることには変わらない

この身体の本当の持ち主は自分ではない

獪岳(A)
「少し、疲れただけだ
今は他にやるべきことがある……
俺のことは後にしても問題な」

善逸
「問題ない!?問題ないわけないだろ!!
兄貴は自分のこと蔑ろにし過ぎだ!!
辛いなら辛いって言えよ!!
辛いなら俺たちを頼ってくれ
俺たちは此処に居るだろ!!」

獪岳(A)
「!!……善逸」

一つの身体に二つの心がある

こんな厄介なことあるか?

このまま善逸たちと

一緒にただ日常を過ごしていきたいと願ったなら

……獪岳は、許してくれるだろうか

本人に直接聞きたいが方法は……

あの自称神様に聞くしかないだろうな

アイツにも聞きたいことが山ほどある

いつか、この問題に決着がつく日が来たら

決めかねている答えはその時出ているのだろうか

獪岳(A)
「随分、言うようになったじゃねぇか
俺に泣きじゃくってすがってた奴が」

善逸
「当たり前だろ
だから、いい加減」

獪岳(A)
「死んでも頼りになんかしねぇよ
特に善逸、お前はな」

善逸
「……なッ」

炭治郎
「獪岳兄ちゃん!
何でそんなこと言うんだ」

頼ってか……これでもお前らの兄弟子なんだ

頼られるならともかく頼りたくはない

獪岳(A)
「……兄貴なんてそんなもんだろ」

弟や妹に格好悪い所見せるのは嫌過ぎる

獪岳(A)
「自分可愛い〜♪って思ってるなら
思ってるなら兎も角な!
……オエッ流石に『可愛い〜♪』はやり過ぎたか」

気まずさを誤魔化すにためにやるにしても

気持ち悪さが勝ってるぞと後藤さんに

言われそうだ

炭治郎
「いや、充分可愛い〜♪と思う」

ヤメロ炭治郎、ボケにボケを乗っけるな

伊之助
「??川良い〜♪???
川ならあっちにあったぞ!!」

伊之助!!おしい!!いや、おしくないけど!!

後、川は別にいい

善逸
「ふざけん……むぐっ!?」

パシッ

ねずこ
「むう!」

炭治郎
「ねずこ!」

善逸
「むぐう!むむ!…ハァッ
もうッねずこちゃんどうしたの?
いきなり口塞いじゃ驚くでしょ?」



ねずこ
「むう」

一瞬、此方に目配せしてた

まさか…気を使われたか?

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作者名:ゆめのなか | 作成日時:2021年6月13日 21時

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