皆が幸せな世界 ページ25
堕鬼
「獪岳！
アタシを助けて！」
！悲痛な声が呼ぶ
堕鬼に妓夫太郎
頸を斬られたのか
妓夫太郎
「おい！梅ええ
やめろおお…
」
ゆっくり少しずつ確実に
崩れて消えていっている
堕鬼
「うるさいうるさいうるさい！
助けて獪岳！アタシの頸を繋げて！
貴方のお姉ちゃんよ！」
繋げて…か
繋げられる身体はもうない
気づいてないのか
しのぶ
「はい？何をふざけてるんですかね？
貴女は獪岳の姉ではありませんよ
と言うか、まだ消えてなかったんですか
いい加減不快なので消えて下さい早く」
堕鬼
「獪岳！かいがくうう！
あの女がいじめるアタシのこといじめるのよ！！
あんなのよりアタシの方が大切よね！？
こっちに来て！！」
しのぶ
「獪岳、駄目ですよ」
…
獪岳(A)
「悪い…しのぶ姉さん」
しのぶ
「獪岳！！」
止めようとされたが
最後に話をしてみたくなった
それだけだ
堕鬼
「獪岳！そうよアタシがお姉ちゃんよ！
さあ、頸を繋げて」
獪岳(A)
「無理な話だ」
堕鬼
「なんで！？なんでよ！
あの女！？あの女が誑かしたの！？それで」
妓夫太郎
「梅、繋げって言ってもなあ」
堕鬼
「お兄ちゃんも！！獪岳に何とか言ってよ！！」
堕鬼の涙でいっぱいの頬を拭った
獪岳(A)
「繋げられる身体はもう…消えちまってる
無理だ」
堕鬼
「は？そん、な嘘よ」
妓夫太郎
「あっても繋げるなんてきかねぇだろ
梅、コイツは敵だぞ」
堕鬼
「ヒドイヒドイヒドイ！！
どうしてえ！どうしてよおお！
あっちいけ！！
どうせ瀬世ら笑うために近づいたんで」
獪岳(A)
「違う！！」
そんなことするために近づくわけない
堕鬼
「ハッ！何が違うって言うの！
だったら助けて！今すぐに！！」
妓夫太郎
「これで分かったろ梅」
獪岳(A)
「…日輪刀で頸を斬られれば鬼は死ぬ
身体があった所で現状は変わらねえ
俺があんたたちの敵だと言う事実も変わらねえ」
獪岳になってから
十何年たっただろう覚えていない
当時の記憶は曖昧で
朧気に昔の自分だった記憶の中で
どうして堕鬼と妓夫太郎が鬼になった経緯も
覚えている
あの時はきっと浮かれていた
自称神様に生まれ変わらせて貰って
善逸の成長を間近に見れると…
生まれ変わって
行冥さん、沙代たちに会って寺が鬼に襲われて
錆兎や真菰が危険な目にあって
カナエさんが…有一��が…匡近が…
大切な人が増える度
思わずにはいられない
皆が幸せな世界になんでしなかった？
自称神様
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作者名：ゆめのなか | 作成日時：2021年6月13日 21時
