鬼の腹の中 ページ3
さっきまで
あんなに警戒していたのに
白黒ひよこ
「……うう」
ｽﾘｽﾘ
黒いひよこ
「……ないてもじょうきょうはかわらない」
白黒ひよこ
「…………肆さんてさ、情緒って知ってる？
僕泣いてるんだよ？すり寄ってんだよ？
慰めることすら不器用なんだね」
黒いひよこ
「……そんなことは」
あるだろ
と言うか、心外！！みたいな顔するな
獪岳(A)
「とりあえず、お前は仲間なんだな？
他にお前みたいな奴はいるか？」
出来るだけ事が大きくなる前に
味方は増やしておいた方が良いだろう
黒いひよこ
「…………に、さん、はち」
白黒ひよこ
「捌さんはともかく
弐さんと参さんは無理だと思うよ
二匹とも心を動かすには時間がないし
僕もこれを隠せてるか……ビ」
獪岳(A)
「！！オイ、さっきから出てるそれ
まさかとは思うが血か」
染みだしていることは分かる
だが、治療すべき場所が明確に分からない
そもそもひよこを治療したことなどないが
見るからに命をかけて
助けようとしてくれている奴を
そのままにしておくほど薄情ではないつもりだ
……白黒のひよこは白い部分が若干
薄灰に染まってきている
黒いひよこは触らないと染みだしていることすら
分からないな
白黒ひよこ
「……診てくれるの？ありがと
でも僕らはひよこだよ人間とは違う体の作りだ
それに君らを連れてきた鬼に作られた体だよ
治療の仕方自体普通とは限らないから
余計なことに気を配らなくていい
此処から帰ることだけ考えなよ」
獪岳(A)
「……俺は礼儀知らずにはなる気はねぇ」
善逸
「嘘はついてないことは分かるけど
えと、これどういう状況なの兄貴？
何かこの白黒のひよこが覚悟的なものが
どうたら〜で黒いひよこが手伝うってのは
分かったよ？分かったけどさ？
これどうなってんの？？」
善逸、診ている状況でその質問を
投げ掛けてくるか？
炭治郎
「…獪岳兄ちゃん、
ひよこたちは俺たちに何か隠してるんだよな？」
炭治郎は気づいてるか
？炭治郎が気づいてるなら普通
善逸も気づくよな？
なんで気づいてないんだ
白黒ひよこ
「隠してるも何も僕らの帰る場所は
鬼の腹の中…ビッ」
！？
善逸
「ハ！？腹！？腹ってあの腹！？！？」
炭治郎
「は！？腹って、ねずこたちが危ない！！」
黒いひよこ
「……おちつけ、おわるまでは
あのおにはうごかない」
蝶文様ひよこ
「なかなか帰って来ないと思ったら
何の話をしてるんですか肆さん？
私もまぜて下さい」
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作者名：ゆめのなか | 作成日時：2021年6月13日 21時
