生まれ変わったらクズでした…７

火の海 ページ50

阿鼻side

『みんなを
たすけてあげて下さい』

『ーーー！こんな所にいたのね
御仏様にお祈りをしていたの？
素晴らしいことよ、ねえ旦那様』

『…………ああ、そうだな』

なんだコレは

煉獄
「俺は俺の責務を全うする！」

伊之助
「さっさとくたばれ！
この火傷野郎！」

『ーーー、お前の使命は
人を…………ことだ
それが強く生まれた者の責務なんだ』

『勿論、力が強いということではありません
本当に強いということは心が強いということ
ーーーあなたは優しい
どうかその強さで…………を守ってあげてね』

『はい！ととさま！かかさま！』

阿鼻
「責務とは何だ」

何を守ってあげればいい？

優しい暖かい記憶の中で

冷たく……淀んだ深紅が拡がる

「どうした、さっさと殺せ」

！！

阿鼻
「仰せのままに！」

煉獄
「炎ノ呼吸 伍ノ型 炎虎」

阿鼻
「血鬼術 叫喚……！！」

『駄目だ！』

ああ

伊之助
「俺がトドメをさす！！
獣ノ呼吸……ぐわっ！あつあちちち！！」

忌々しい

私の邪魔をするな

煉獄
「もう少しだ！行くぞ！」

ズキン

阿鼻
「……ぐっ！！」

頭が痛いぃい

『駄目だ母様
死んでは駄目だ！』

『……ーーー生きて
みち……びくの皆を
忘れないで…ゲホゴホ
よそなれど 同じ心ぞ
かようべき 誰も思いの
一つならねば』

『母様！母様！
目を開けて起きて下さい
……お願い、お願いしますから』

私を庇った母様

血が血が止まらない拡がっていく

『ーーー！逃げろ！！』

ダンッ

『！！ぐっぅう、父様？
！！！父様！！』

父様に突飛ばされた

『ガハッ…ハァ…ハァ…ー、ーーー』

父様は得体の知れないものに貫かれていた

何だコレは化け物？

『ほう、まだ生きているか』

『行け！おま…えの責務を全うしろ！』

『父様！！…しかし置いては行けない！』

『行…げ！！』

『ふむ、もしお前が今からやる
私の血に適応出来れば
耐えられれば逃がしてやろう』

ザシュ

『！！あがぁ！？』

痛い痛い痛い痛い痛い痛い

『うぐあああぁあああ…ぁあああ！！！！！
ゲホ、ゲボ……ガハッハァハ…』

苦しい苦しい！！息が！息が出来ない！！

『ーーー死んで…は駄目だ！
責……むを…おま……えが…やらなけば』

『やはり、耐えられないか
まあ、当然とも言えるか』

『そろそろ朝日が昇ります』

『では行くとするか』

『？殺さないのですか』

『見ての通り此処は火の海だ
直に全部焼け落ちる殺すのは労力の無駄だ
行くぞ猗窩座』

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