生まれ変わったらクズでした…７

だが愛おしい ページ40

アオイside

雛鶴
「アオイさん
私には構わずもう行ってください
先程の音が聞こえたでしょう
鬼が暴れています」

アオイ
「すいませんがそれは出来ません
雛鶴さんをもうすぐ来る隠の方々に
渡すまでは此処にいます」

解毒薬は飲んでいるみたいだけど

顔色が悪すぎる

そもそも、いきなり奥さんを

連れて来たと思ったら「任せる」

……と一言だけ言って置いていくなんて

少しくらい奥さんに慰めの言葉でも

かけて行ったらいいのに！

雛鶴
「解毒薬はもう飲んでいるので
もうすぐ動けるようになります
一人で吉原を出るくらい出来ますから
貴女も隠の方々も気にしな」

アオイ
「バカなこと言わないで下さい！
一人で吉原を出るくらい出来る？
出た後に何かあったらどうするんですか！
それこそ鬼に出会ってしまったら
今の貴女に逃げきれますか雛鶴さん！」

ただでさえ弱ってるのに

一人にさせるわけには

雛鶴
「！逃げて！」

？

アオイ
「雛鶴さ」

瓜二つに笑う鬼
「何処に逃げても一緒でしょう
此方たちもそう思いませんか？
ああ、醜い醜い醜い醜い醜い醜い
だが愛おしい世界
そう全て業火で包んでしまいたいくらいに」

！！鬼…

何、この鬼は手に何を

アオイ
「雛鶴さん私の後ろに！
……そんな」

雛鶴
「…あれは」

瓜二つに笑う鬼
「？ああ、この方々でしょうか
救って差し上げたのです
今頃は仲良く家族やご友人たちのもとで
さぞ仲睦まじく過ごしておいででしょう」

鬼が掴んでいる

人の握り拳だいの血が滴るそれは

数名のであろう心臓

アオイ
「まさか」

瓜二つに笑う鬼
「喪に服すよりも
家族と一緒に逝くほうが嬉しいでしょう
彼らもそれを望んだことでしょうし」

喪に服す？何を言っているのコイツは

吉原で喪に服す？

吉原近くの喪に服している家を襲ったの

それとも隠を

窓が近い雛鶴さんには何が見えているだろう

私の勘違いであったなら

嬉しいのだけれど

雛鶴
「…隠の方々が」

ああ、本当に

アオイ
「あ、あなたが隠の方々を殺したんですか」

気持ち悪い

瓜二つに笑う鬼
「救って差し上げたのです」

鬼の口角が上がる悪びれもない顔をしてる

吐いてしまいそう

震えが止まらない

瓜二つに笑う鬼
「此方たちも救って上げましょう
なに、童磨のようにこの世に居続けるような
苦しみを味会わせるほど非道ではない
大丈夫此方たちの全ては
大地に抱かれそして魂はかえるのだから」

意味の分からないことばかり言う鬼

アオイ
「お断りします」

昔はこんなんじゃなかった→←こっからはド派手に行くぜ

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