生まれ変わったらクズでした……４

人でなくなること ページ29

愈史郎side

……珠世様

貴女は俺を鬼になさるとき

こう言いましたね

「生きたいと思いますか？

本当に人でなくなっても生きたいと…」

なんでそんなこと聞くのか

疑問でした

だって俺はあの時ただ……ただ

本当に死にたくなかったから

なんで聞くのか本当に

分からなかった…

「このまま…

病で貴方は命を落とすでしょう

ですが

人でなくなることは

…つらく苦しい」

命を救ってくれたこと

俺は後悔なんてしていない

鬼になって貴女の側に居られて

俺は幸せです

……けれど、俺は貴女は心に

抱えている重荷を共に抱えさせて

くれない

俺はそんなに頼りないのですか？

それとも背負わせたくはないのですか？

……

……

……醜女

いや、アイツの妹

今、ほんの少し…ほんの少しだが

珠世様の重荷を軽くした

…悔しい、悔しい！

…………羨ましい

俺は側に居るのに

美しくて優しい貴女の心の

重荷を軽くすることが

できない

……出来なかった

ズルい、ズルい……

ズル過ぎる！

獪岳(A)
「……おーい、愈史郎なに百面相してんだ」

愈史郎
「……見るな」

獪岳(A)
「……おい」

耳元で囁くな！なんだ？

獪岳(A)
「お前さ、珠世さんのこと
好きなんだろ？」

愈史郎
「……」

な、なぜお前がそれを…！

い、いや、別に獪岳が知っていた

所で別に！そう別に大丈夫だが

た、た、珠世様を

すすすすすす、すきに

なるなんて当たり前だろう？

あんなに立てば芍薬

座れば牡丹

歩く姿は百合のようと言われても

おかしくないほど

全てにおいて美しい！

美し過ぎるのだから！！！



獪岳(A)side

……どうしよ

珠世さんのこと好き？って聞いたら

愈史郎が真っ赤になって

下向いて黙りこんじゃった

だって、互いに抱き合ってる

ねずこと珠世さんのこと

穴が開きそうなくらい見るから

ちょっと、からかおうかなと

思って言っただけなのに

……可愛いな、大好きなんだな〜〜って

いうのは十分伝わるよ

珠世
「……炭治郎さん
私達は、この土地を去ります
鬼舞辻に近づきすぎました
早く身を隠さなければ
危険な状態です……それに
うまく隠しているつもりでも
医者として人と関わりを持てば
鬼だと気づかれるときがある

特に子供や年配の方は鋭いです

……炭治郎さん

ねずこさんは
私達がお預かりしましょうか」

炭治郎
「え」

珠世
「……絶対に安全とは言いきれませんが
戦いの場に連れて行くよりは危険が
少ないかと」

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