私が私を隠したままで ページ42
甘露寺side
伊黒さん大丈夫かしら
一応、獪岳がついてるから
私は、お粥を作っているけど
体調が悪い時は、消化に良いものよね
もし、伊黒さんが風邪なら獪岳は
私の屋敷に連れて行った方が良いわよね?
……ふふ、なんだろう
あぁ、私がもし結婚するなら、きっと
伊黒さんのような強い人よね
だって…私は
……やだ、あの時の事が今でも頭を過るなんて
甘露寺
「……それでも私は」
ありのままで、ありのままの私を
受け入れてくれる人と一緒に年をとりたい
獪岳(A)
「おかあさん?」
甘露寺
「…!獪岳、伊黒さんの所に居たんじゃないの?」
獪岳(A)
「おとうさんがおかあさんのおてつだいしてって
ないてるの?」
甘露寺
「……え?、ううん、大丈夫よ!
お手伝いしに来てくれたのね!
じゃあ、何から一緒にやろうかな?」
獪岳(A)
「おかあさん」
獪岳が私の服の裾を掴んで
何か言いたげにしてるわ
甘露寺
「ん?どうしたの?」
目線をあわせる、だって凄く寂しそう
どうしたのかしら?
獪岳(A)
「だいすき、おとうさんもおかあさんがだいすき
いたいのがまんしないで」
涙が勝手に溢れるの
甘露寺
「我慢なんて……」
してるわ、きっと
心の奥底の何処かで私は、否定していたわ
本当に家族以外に私を好いてくれる人が
居るわけないって
だって、言われたわ
「君と結婚できるのなんて
熊か猪か牛くらいてしょう
そのおかしな頭の色も
子供に遺伝したらと思うとゾッとします
このお見合いは
無かったことに私のことは忘れて下さい
さようなら」
17歳お見合いが破談した時に言われた言葉
心ない言葉、傷つかないはずないわ
でも、私は生まれてきた時
特殊な肉体を持っていたから
筋肉の密度が常人の八倍ある
一歳二ヶ月の頃
弟を身籠っていた母を気遣い
四貫もの重さの漬物石を持ち上げたの
肝が据わっていると評判だった母は
この日、人生初で腰を抜かしたらしいわ
そして私はよく食べる
相撲取り三人よりもまだ食べる
他人から見たら異様なのね
見合いが破談した日
これは隠さねばと思ったわ
髪は染め粉で黒くして
食べたいのをぐっと堪えて頭が朦朧として
いっぱい嘘を吐いて
力も弱い振りをして
家族みんなに心配までさせたわ
そうしてようやく結婚したいと言う人が
現れたの
でも、それは偽りの私を好いてくれた人
いいのかな?
これでいいのかな?
私一生こうして生きてくのかな?
私が私を隠したままで
156人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆめのなか(プロフ) - 夜月─《 *無人* 》☆さん» コメントありがとうございます!大爆笑の渦(ノ≧▽≦)ノ嬉しいです!これからも良かったら続き読んでほしいです|ω・)ノ (2020年3月5日 20時) (レス) id: a13dab8379 (このIDを非表示/違反報告)
夜月─《 *無人* 》☆(プロフ) - 途中途中あるイラストが明らかに笑わせにきてますよね?これ、大爆笑の渦なんですけど笑笑笑 (2020年3月5日 10時) (レス) id: 7f57af0fb7 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめのなか(プロフ) - 続きが出てます|ω・)ノ生まれ変わったらクズでした……4よろしくお願いします (2020年1月16日 13時) (レス) id: a13dab8379 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめのなか(プロフ) - 蓮さん» ありがとうございます!直してきますね|ω・)ノいやー、誤字が多くてすみません (2020年1月12日 22時) (レス) id: a13dab8379 (このIDを非表示/違反報告)
蓮 - 瓜二つで上弦が上限に (2020年1月12日 22時) (レス) id: 3f29d20ec2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ゆめのなか | 作成日時:2019年11月30日 15時