生まれ変わったらクズでした……３

落ち着くんだ俺 ページ40

伊黒side


伊黒
「獪岳、俺の頬をつねってくれ」

獪岳(A)
「え？だめだよ、おとうさんがいたいよ？」

それは、駄目だと首をふる獪岳

獪岳(A)
「おとうさん、これなに？」

ん？さっき治療された腕の包帯を指している

甘露寺
「それはね、痛い痛いが治るために必要なものよ
これで薬を塗ったところをまいてるの」

獪岳(A)
「いたいのがなおるため？」

甘露寺
「そうよ！」

微笑んでいる甘露寺は、女神のようだな

……ん？

なんだ？獪岳、しゃがんで欲しいのか？

伊黒
「どうした？何か内緒の話でもあるのか？」

獪岳と同じ目線になるようにかがむ

獪岳(A)
「おとうさんもおれといっしょ？」

そう言って俺の顔の包帯に優しく触れた

伊黒
「………！それは」

獪岳(A)
「いたいのいたいのとんでいけ」

…！獪岳、…………そうかお前は優しい子だな

伊黒
「……大丈夫だ、俺のはとっくの昔に
治っている、だから、痛くない」

獪岳(A)
「ほんとうに？」

伊黒
「……あぁ」

さっさと獪岳を連れて行こう

此処に居ても胡蝶が獪岳を怖がらせるだけだ

俺の屋敷に連れて帰るか

伊黒
「甘露寺、行こう
ほら、獪岳お家に帰るぞ」

甘露寺
「そ、そうですね
獪岳、伊黒さんに抱っこして貰ったのね！」

獪岳(A)
「うん、おかあさん」

胡蝶
「いや〜、本当に仲の良いご夫婦ですね！
獪岳、また来て下さいね？
今度は、三日後に診たいので
よろしくお願いしますよ？お父さん？」

伊黒
「分かった」

…………って違うだろ！？俺は、お父さんじゃない！

獪岳(A)
「おとうさん、おかあさん」

ｽﾘｽﾘと頭を擦り付けてくる暖かい小さな存在

俺は……俺は……

獪岳(A)
「だいすき」

お父さん、案外悪くないかもな…………って違う！

いや、甘露寺がそれで良いなら俺も願ったり

叶ったりだが……

何を考えているんだ俺は……落ち着け落ち着け

落ち着くんだ俺

都合の良い夢→←お菓子あげますから

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す