生まれ変わったらクズでした……３

一刻を争う ページ2

炭治郎side


幸せが壊れる時は、血の匂いがするんだ


炭治郎
「あ、あぁ…ぁ」


俺は！俺が居ない間に何が！！


母さん！六太！茂！花子！竹雄！


……ねずこ！


皆、皆、息がある……？けど、このままじゃ！


葵枝
「……た、炭…治郎」


…！母さん！


炭治郎
「母さん！何が…！俺が居ない間に何が！？
頼む、死なないで！死なないでよ」


葵枝
「…た、んじろ…ねずこを
はや…く、こ…のま……まじゃ…！」


え？


葵枝
「六太…をかば……て
あの子……がいち…ばん、傷…が！」


…！ねずこ！六太を庇ったのか


確かに此処にいる誰よりも血の匂いが濃い


恐らく傷も相当深い…！


葵枝
「む、むら…連れ…て行って…！
だ……いじょ…ふ、皆…き…うしな……て
私が……みて…おくから」


母さん、母さんだってねずこの次に傷が深い

出来るなら母さんも連れて行ってあげたい


皆を連れてってやりたい！けど…！


俺、ひとりでは…出来ない！


葵枝
「お、お願い…！たん……じろう！」


炭治郎
「……分かってる、でも出来るだけ早く
帰ってくるよ！村の人達も連れて来る！
だから、だから！」


葵枝
「……だい、じょうぶ」


優しい母さん、辛くても苦しくても


それでも俺達を一番に考えてくれている


炭治郎
「必ず、必ず…！早く戻るから！
待ってて！待っててよ！」


絶対、絶対に助ける！助けてみせる！


ねずこ、辛いだろうが兄ちゃんの背中で


もう少し、もう少しだけ！我慢してくれ！


死なせたりなんかしない！


兄ちゃんがきっと、救ってやるから！


炭治郎
「もう、家族と別れるのは嫌なんだ…！」


父さんの時みたいに、きっと別れは来る


けど…！それは、今じゃない！



ー十数分後ー


しのぶside


…！どうやら、遅かったようですね


獪岳(A)
「…！まだ、脈が……ある」


そうです、けれど一刻を争う


しのぶ
「獪岳、隠の者達は、近くに待機を
命じてあるのですよね？
なら、此方に来るよう呼びます
貴方は、私とこの人達の治療を……」


獪岳(A)
「分かった！……薬は、これだけじゃ
足りないか」


しのぶ
「隠の者達が持っている分も
合わせて使いましょう……冨岡さん！」


義勇
「……なんだ？」


しのぶ
「そこ……、外に向けて足跡があります
まだ鬼が離れて間もないのかもしれません
とっと鬼殺隊の仕事をしてきて下さい！」


義勇
「……承知した」


あれでも一応、柱なのですから


頼りにさせて貰いますよ

人喰い鬼→←致命傷さえ

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