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家に帰っても思い浮かぶのはAの事。
本当にひどいやつだ。
大切な彼女を泣かせても考えるのはAの事ばかり。
ずっと蓋をしていた気持ちがあのAの告白でついに外れてしまったんだ。
呪縛のようにAの事を妹だと思い込み続けてた。
あいつとは違う見た目、性格の女の子を好きになった。
Aと似た部分を感じれば何故かAを裏切っているような気がしたから。
Aに俺の欲をぶつけるのはAを汚してしまいそうで、裏切って拒絶されそうで考えるだけでゾッとした。
Aに女を感じないようにして、変わっていく華奢な身体や俺への熱い視線に目をずっと背けてた。
本当はずっと俺の中の一番はAだったのに。
涙を瞳にいっぱい溜めて俺に気持ちを伝えてきたAを思い出せば今でもドキドキと身体が熱くなって愛しくて愛しくて抱きしめたい気持ちでいっぱいになる。
きっとあの後Aは小さな身体を震わせて泣いたに違いない。
今ならAは俺のことを受け止めてくれるだろうか?
お前を大切に思っていても平気で他の女を抱いてきた俺を知っても嫌いにならない?
へウォンを含めて今まで付き合ってきた彼女は好きだったのは間違いないのにAへの思いだけは別なんだ。
こんな都合がいい考えを持つ俺を知ってもそれでも俺を好きでいてくれる?
高校生になっても俺はずっと臆病なままだ。
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作者名:Marika | 作成日時:2022年1月29日 23時