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TH side

ファミレスからAちゃんの家まで送り届けた後、約束していた人物が数分後に車に乗り込んできた。

特に行くとこもないからとりあえず近くのパーキングに車を停めた。


「ジョングガ、話って?」

「周りくどいのは嫌いなんではっきりと聞きますけど、ヒョンはAの事どう思ってるんですか?」

ずっと聞きたかっただろう質問を浴びせながら、
敵意を隠しているようで隠せてない瞳が鋭く俺を睨む。


「どうって、すごくいい子だと思ってるよ。可愛いし、素直だし、真面目だし。後、本当にAちゃんを助けてくれてよかったよ。お前がいてくれてよかった」

「Aの事は小さい頃から当たり前に俺が見張ってきたから俺の務めなんです。そんなのよりAの事弄ぶ気なら辞めてください」

「弄ぶなんてそんな事するわけないじゃん」

「あいつは純粋なんです、Aの事大事に出来ないならもうこれ以上......」

段々と話しているうちに苛立ちが募ってくる。

「そういうお前は、Aちゃんの気持ちに応えられないくせにどんな立場でそんなこと言ってるの?俺はAちゃんを傷つける気もないし、お前の代わりに俺があの子を守っていく事だって出来ると思ってるよ」


下唇を噛んで、悔しそうに俺を見ている目は可愛いジョングガではなく、ただの一人の男だ。

おかしいな、そんな悔しそうにするくらいならずっとジョングガが側に居てやればいいのに。


「これ以上話しても無駄ですね。時間とってくれてありがとうございます。でも、Aの事傷つけたら絶対許さないです」


そう言って車から出て行く背中はいつもより少し小さく見える。

ああ、なんでこんな面倒臭い事に関わってしまったんだろう。あいつも本当に頑固だな。なんて思えば小さくため息が出る。

柄にもなくほっとけないのはAちゃんと自分を重ねてしまったから。まあ、内情は全然違うけど。


頭に浮かぶ花みたいな笑顔を思い浮かべれば自然と顔が綻んだ。

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作者名:Marika | 作成日時:2022年1月29日 23時

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