3歩先の背中に触れたい (ページ20)

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グクに救助された後は先生に付き添ってもらってホテルの自室に戻った。

同室の友達はみんなご飯を食べにホテル内のレストランに行ってるけど、とてもじゃないけど私は食欲がなかった。

もちろん、溺れて身体が辛かったのもあったけど
「ジョングク君がなんの迷いもなくへウォンちゃんの前で人工呼吸するからびっくりした」
なんて言葉を聞いたのが原因だ。

だって、だって......まさかあの唇に触れた温かい感触がグクの唇だなんて思わなかった。
朦朧としてたから何にも考えれなかったけど、へウォンちゃんの前でそんな事をしたら......
絶対にへウォンちゃんを傷つけている。

なのに、それなのに
唇に触れた温もりを思い出して胸が苦しくて、
涙が出そうで、
すごく嬉しかった。

喧嘩したように離れてからずっとまともに喋ってもなかったのに助けてくれたのがグクで......

本当はずっとずっと喋りたかった。
前みたいにくだらないことで笑い合いたかった。

もう忘れるなんてずっと言い聞かせても無駄だった。
この溢れる気持ちに嘘はもうつけない。

私はずっとジョングクが大好きだから。

改めて自覚した気持ちに気づくと涙が止まらない。
へウォンちゃんからグクを奪おうなんて思ってない、
ただ、私の気持ちを伝えたい。
受け取って貰えないのなんて分かってるけど、傷つくのだって、関係が変わるなんて分かってるけどただグクに好きって言いたい。

グクに好きて言えないで死ぬのは絶対に嫌だ。