3歩先の背中に触れたい (ページ19)

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唇に触れる暖かい感触。

私の名前を必死に呼ぶ声。

眩しい光に、そっと目を開けると目の前にグクがいた。

『ゴホッ....ゴホッ.....』

「A！、苦しいよな.....でももう大丈夫だから」

苦しさに顔がひどく歪む。
咳が止まらない
やっと呼吸が落ち着くと心配そうに私を見るクラスメイトと私を見て泣く友人、ずっと背中を摩り続けてくれるグク、電話をしながらも心配そうに見守る先生。

段々と状況がわかって来て、

『私、溺れたの？』

「ごめん、ごめんね。Aっ一人にしてごめん」

私をぎゅって抱きしめる友人の涙に自然と涙が溢れてくる。

『ううん、私こそっ.....』

「本当にジョングクがいてよかった」

「大きい声出してくれてよかったよ。本当にすぐに気がつけたから」

ぎゅって私の手を握るグクの瞳は涙が滲んでた。

『グクが助けてくれたの？』

「うん、本当に心配で必死で俺が死にそうだった」

『ごめんねっ、ありがとう』

「とりあえず先生が救護室に行こうって、立てる？」

グクに肩を支えながらなんとか立とうとしてもフラって立ちくらみがして、足がガクガクと震えて力が入らない。

「ちょっと捕まって」

グクは私の膝下に手を通すとヒョイっと私を横抱きに持ち上げた。

『わっ！』

「ジョングクこれっ」

友人が私の身体にそのままタオルをかけてくれた。
身体に当たるジョングクの体温が暖かくて、こんな状況なのにドキドキと胸が高鳴った。