16 ページ16
テヒョンオッパの優しさに救われた昨日.....
でもやっぱり今日は憂鬱だ。
好きな人から向けられる自分への負の感情は想像以上のストレスだと思う。
大好きなグクのあの睨むような目を振り払うように私は学校に向かった。
*
案の定グクとは目も合わなかった。
教室を出て行くググの背中がいつもよりもっと遠く感じる。どんどん遠くなる背中に私の手が届くことはきっとない。
トボトボと一人帰る道はとても孤独だ。
いいんだ、いいんだこうやってちょっとずつグクから離れていかないと。
寂しくても、辛くても叶わない思いを立ち切るには距離を空けるしかないのかも。
ドキリと心臓が鳴る音が聞こえる気がする。
帰路を一人で悶々とした気持ちで進む中、私の家の隣、手前に.......そうグクの家の玄関に笑い合うグクとへウォンちゃんがいた。
二人は腕を組みながら楽しそうに家に入っていった。
今まで彼女を家に連れて来たことはなかったのに......
二人は恋人なんだから当たり前、彼女を連れて来るなんて普通のことだ。
だけど、グクの部屋に入れる唯一の女の子でいたかった。
もうこの歳になって幼馴染みなんて立場の特権はとっくになくなっていたのに。
ただ、家が隣同士だっただけ。
そんなのはとっくにわかっていた。
私はグクの特別なんかじゃないって。
それでも私はその立場に縋っていたかった。
本当に、本当にもう終わりにしなきゃ。
一緒に6年間通った小学校までの通学路。
先生に怒られて泣いている私にくれたバナナキック。
毎日一緒にゲームをしたあの部屋。
目をクシャってさせて笑うかわいい笑顔。
いつも私の先を行く広くて、大きな背中.......
全部、全部忘れないと。
いつかグクの幸せを本当に喜べる日まで。
862人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:Marika | 作成日時:2022年1月29日 23時