14 ページ14
Aの事をいつから[妹]みたいな存在として俺の中に刻んだんだろう。
俺の初恋は間違いなくAだった。
小さい頃からあいつは周りより身体が小さくて、運動も出来ないし、勉強もできないし、でもAは小さな花のようにいつも何事にも一生懸命で俺に追いつこうと頑張ってる姿が幼いながら可愛くて仕方がなかった。
よく笑ってよく泣いて、自分のことよりも俺の事をいつも心配して褒めてくれてAは一番に自分を理解してくれる存在だったんだ。
Aは幼い顔立ちながら整った顔をしていると思う。
大きな丸い目に、小さいけどツンと高い鼻、薄い血色のいい唇、恥ずかしいとすぐに赤くなる頬。
細い手足を相まって「人形みたい」だと言われてるのだって知ってる。
本人は自覚がないけどあいつは同級生からも、他学年からも注目される存在だった。
中学1年生の時あいつは一方的に好意を寄せてきた3年生の先輩から告白されて無理やりキスされたことがあった。
Aはそれからしばらく俺以外の男が近寄るとビクッと怯えていつも俺に「グクだけは大丈夫。グクは絶対そういうことしないもんね」なんて言うから俺は、あいつへの気持ちに蓋をしたんだ。
暗示っていうのは不思議で妹、妹、そんな風に思ってたらAは守らないといけない存在に変わっていった。
俺自身もA以外の女を好きなれない。そんなこともなく、ごくごく普通の年頃の男として別の女の子に恋してそれなりに色々なことも経験していった。
862人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:Marika | 作成日時:2022年1月29日 23時