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「A、お前ここで何してるんだよ」
グクの怒ったような声にハッとする。
テヒョンオッパの横を通り過ぎて険しい顔でこっちに向かってくるグクに思わず後退りしてしまう。
「えっ?ジョングガ、Aちゃんのこと知ってるの?」
「知ってるも何もコイツは俺の幼馴染みです」
「マジか、すごい偶然だな。それよりお前なんでそんな顔してるわけ、Aちゃん怖がってんじゃん」
「別に怖い顔なんてしてないです、コイツが俺に何にも言わないから.....」
「.....もう、グクったらどうしたの?」
少し離れたとこにいたへウォンちゃんがグクの元に寄っていく。
「まあ、後で話聞くから」
へウォンちゃんが来てくれたからグクがやっと席に着いてくれて少しだけ肩の力が抜けた。
「Aちゃん大丈夫?」
『..........大丈夫です、オッパとグクは知り合いなんですか?』
「そうそう、あいつダンス習ってた時期あるでしょ?そこの教室で知り合ったの。お互い辞めちゃったけどまだたまに遊んでてさ」
『そうなんですね、、本当にびっくりしました』
「俺もびっくり、あいつめちゃ怖い顔してるしさ....」
『.....本当にあんな怖い顔久しぶりに見ました、彼女とのデートに私が邪魔だったのかな....』
「それは違うと思うよ、彼女の前でも感情的になっちゃうくらいAちゃんのこと気にしてるんだよ」
自分で言った言葉に涙が出そうなったところでテヒョンオッパの手が頭をぽんぽんと撫でててくれて、優しいオッパに少し救われた。
まさか、グクがこのお店に来るなんて思わなかった。それも彼女と。オッパとも友達なんて考えもしなかった。
それにグクはなんであんな風に怒るの?
私がバイト始めたこと言わなかったから?
グクたちのデートの邪魔になるから?
ただでさえへウォンちゃんといる所を見るのはきついのに、あんな風に彼女の前で怒られたら惨めに感じてた気持ちにも拍車がかかる。
今日、きっとオッパがいてくれなかったから私はまともに話しをすることもできなかっただろうな。
もっと、もっと強くなりたい。
グクのことを忘れられるくらい、グクのことで傷つかないくらい。
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作者名:Marika | 作成日時:2022年1月29日 23時