どこへでも ページ29
「織田作が死んだ。」
それを太宰が私に言った時。太宰はなんとも言えないような表情をしていた。
怒り、悲しみ、辛さ、寂しさ。
全てのマイナスの感情を混ぜたかのようだった。
その顔を見た時。どうしてもいたたまれなくなってしまって、私は思わず太宰を抱き寄せた。
太宰は何も抵抗せずに、静かに抱き締め返した。
しばらくすると、太宰は震えた声で口を開いた。
「何も、出来なかった。」
「…うん」
「織田作は、私のことをあんなにも理解していてくれたのに。」
「……うん。」
「もう何も、失いたくない。」
「………うん。私も。」
「…私は次の任務で、組織を抜ける。」
さっきよりも1段と小さな声で太宰が言った。体はどこかで分かっていたかのように、動かなかった。
「そっか。」
「もし、Aが良かったら、ついてきて欲しい。」
今回は体が動いた。幻聴でも聞いたのかと思った。
それ程、嬉しかった。
「私ね、Aが好きだ。」
「………」
「1番失いたくないから。
ついてきて欲しい。」
もう泣いていないようだった。ハッキリした声で、太宰は言った。
「うん。行く。絶対行く。何があっても。
だから待ってて。面倒なこと全部片付けていくから。だから…」
「うん。」
今度は私の番だった。潤んできた視界を閉じながら、太宰の耳元で呟いた。
___私も太宰が好き____
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そら豆(プロフ) - 千風さん» 本当にお前優しいなおい。ありがとう。3作目楽しみにしてるぜ。 (2018年8月28日 7時) (レス) id: a1dcc5c8f0 (このIDを非表示/違反報告)
千風(プロフ) - 有川シリーズ三作目の下書きにあたりコレ読み返して普通に泣く千風。どうしよう、壁が高い(( (2018年8月28日 1時) (レス) id: d4838ee308 (このIDを非表示/違反報告)
そら豆(プロフ) - 千風さん» 有難う!で、これは他の方にも言えるんだけど、リンクはちゃんと矢印の下にありますw見えにくくって申し訳ない… (2018年5月29日 7時) (レス) id: a1dcc5c8f0 (このIDを非表示/違反報告)
そら豆(プロフ) - 千風さん» なんだその略はw「ブツヨウ」か?次はあおあおだなw (2018年5月29日 7時) (レス) id: a1dcc5c8f0 (このIDを非表示/違反報告)
千風(プロフ) - P.S.実はこの小説を『物幼』と自分の中で略していた私を赦せ。 (2018年5月29日 1時) (レス) id: d4838ee308 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:空豆火月(そら豆) | 作成日時:2017年3月25日 18時