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幽霊 五十一人 ページ7

地獄の門が閉じ、鵺が去った後、依代だった女性は鴆に治療されていた。
その間、一番怪我の酷かったAは鯉伴の治癒能力によって治療されるのだった。

そこで今まで黙っていたリクオが口を開けた。

夜リ「じじぃ、親父…、こいつぁ一体何モンなんだ?」

ぬら「さぁな、じゃが……、名を山吹乙女といったか、
 かつて鯉伴の妻であった妖にうり二つじゃわい………」

夜リ「…え?」

ぬら「珱姫(ばあさん)も――まだ生きとるような、もう何百年もまえも昔の話じゃ…
 ただただおしとやかで…美しい妖じゃった。」

ふと鯉伴の顔をうかがえばとても苦い顔をしていた。

ぬら「そこからヤツの栄華の日々は始まった。
 日に日に成長してゆく奴良組は鯉伴と共に大きくなっていった。
 その日々は長く長く続いた……“なにもかわらず”に……

 それが…、逆にあの娘にとっては酷になったのだろう……」

夜リ「え?」

ぬら「鯉伴は狐の呪いで妖とは子が成せんかった。
 そのことにはなかなか気づくことができんかった。
 ワシがあまりにも自然と人の子を成していたからな…

 しかし乙女(あのこ)は自分のせいだと思い込み、
 ある日、八重咲きの山吹を一枝のこし姿を消した。」

氷麗「…そんなことが……」

ぬら「今となっては古い連中しか知らん。
 そしてあの娘がその後どうなったかは誰も知らん。」

その時だった。

乙女「……やや、子……」

呟きながら手を空へと伸ばす。
それは何かを探しているような……

乙女「……どこに、いるの、わたしの、やや子……!」

そんな依代だった女性の側に、鯉伴に治療されていたAが近づく。
そして、空へと伸ばすその手をしっかりと掴んだ。

「ここに、いる。ここにいるよ、母さん…」

その言葉に誰もが驚く。
だが、そんなみんなとは正反対に依代だった女性は幸せそうに頬を緩めた。

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uka8502(プロフ) - 終わり?!もっと続きみたい!! (2020年7月23日 6時) (レス) id: 7913de20e0 (このIDを非表示/違反報告)
nanohana1448(プロフ) - これで完結なんてもったいないです!続きないんですか? (2019年3月19日 18時) (レス) id: 0aec07dd47 (このIDを非表示/違反報告)
- 一気読みしちゃいました!完結しちゃったんですか?続きがものすごく気になります! (2018年4月16日 11時) (レス) id: 6cb8084524 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうな(プロフ) - 完結ですか?!すごく続きが気になります … 最後に話を聞いていたのは誰なのかとかこれからのみんなとか …… (2018年1月21日 1時) (レス) id: dbe1d7a27d (このIDを非表示/違反報告)
Secret - とても、面白いです!完結なんですか?続きとてもきになりなます! (2018年1月8日 19時) (レス) id: c47de82906 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆえりぃと | 作成日時:2017年1月8日 1時

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