幽霊 三十人 ページ33
Aは退屈そうに頬杖をつきながら戦いの様子を眺める。
リクオは玉章の前まで来て明鏡止水をお見舞いするが、鶏のような鳥妖怪が身代わりとなり、
黒い女の鳥妖怪がリクオの肩を飛び越えたかと思うと、リクオの動きが鈍くなった。
「なにあれ。」
“スズメ スズメ”
“ヨル スズメ”
“ハネ メ”
「羽が目に入るってこと?」
“ミエル ナイ”
“ミエル ヤミ”
「ふーん……」
リクオはボロボロの刀で刺され、止めを刺される瞬間、氷麗が駆けつけ刀を止める。
そして夜雀が大きく羽ばたいた。
羽は周囲の人間の目にも入り、Aも例外ではない。
「や…み……」
Aは目元を抑えて蹲る。
人影はそんなAを守るように周りを囲む。
――A…
――ごはん、できましたよ。
――Aはとても頭が良いですね。
「…かあ、さん……」
――ごめん、なさい……
――どうか、どうか恨まないで……
――あの人を…守って……
Aの瞳から涙が零れる。
それはいったい何を思っての涙なのか、Aにさえわからない。
気づくと闇は晴れて、視界は正常に戻る。
「ハ、ハハ、嫌なものを思い出した……」
その声は無機質で、感情が感じられない。
あれから決着がつくのは早かった。
玉章が刀に飲まれて屍がなくなったことについてはヒトカゲがうるさかったが、
ただぼーっと眺めてるだけだった。
ただ…、頭から女の顔が離れない。
最期まで笑っていた母さん。
冷え切った母さんを埋めたのをこの手が覚えてる。
「(あの時は…、いっぱい泣いたような……)」
白んできた空に手をかざしてそんなことを思う。
玉章の親がやってきて、リクオに頭を下げていた。
Aはその姿を一目見ると去っていった。
Aは黙って玄関の扉を開けると、リビングの明かりがついていた。
そっと覗いてみると、ソファに深くもたれかかって読書している朝比奈の姿。
「……まだ、起きてたんだ……」
朝比奈「ん?お帰り、A」
「……ただいま。」
朝比奈は近づいてきたかと思うとアイアンクローが炸裂した。
朝比奈「こんな時間まで何してたのかなぁ、Aくん。もう朝なんだけど。」
なんて黒い笑顔なんでしょう…
こんなに怖いと思ったのは母さんが怒ったとき時ぐらい……
「……ごめんなさい。痛いから放してくれるととても嬉しいです。」
朝比奈「どの口が言ってんだクソガキ。」
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ゆえりぃと(プロフ) - チビ猫缶さん» そのコメントで初めて気づきました。Σ(ﾟωﾟﾉ)ﾉ (2017年2月19日 17時) (
レス) id: 9699ff6707 (このIDを非表示/違反報告)
チビ猫缶(プロフ) - 朝比奈梓…!? (2017年2月19日 0時) (レス) id: 416f31071b (このIDを非表示/違反報告)
夜 - 続きがとても気になります！いくらでも待つので更新頑張って下さい！ (2016年10月1日 23時) (レス) id: 1b13281dea (このIDを非表示/違反報告)
セイ(プロフ) - めっちゃ面白いです！続きが気になります！更新頑張ってください！！ (2016年9月21日 6時) (レス) id: c79745b4c2 (このIDを非表示/違反報告)
あんず(プロフ) - ありがとうございます！では、描き終え次第このコメント欄にて報告しますね(｀_´)ゞ (2016年8月9日 13時) (レス) id: ec75fc9606 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆえりぃと | 作成日時：2016年7月21日 23時
