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対処法134 ページ43

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そして目が合うと、ニカ、と音のしそうな顔で友達であるみたいに笑った。その少年は

『くっ……』

思わず口走りそうになって咄嗟に下唇を噛むことで阻止した。じんわりと血の味がするが背に腹は代えられない。言葉になりそこねた空気が頭文字だけ発した。ちなみにその言葉の続きはこうである。


くろばかいと


「今日日差し強いな〜」

『…ッ!? !? ……!!?』

「このコおねーさんの猫? かわいーな!」

『……!?!!』

「ていうかおねーさん、さっきからずっとここにいるだろ? ちゃんと水分補給とかしてるか?」

『!? !!!?』

サイレント阿鼻叫喚である。精悍な顔付きの美少年は学校帰りに友達を見つけたただの高校生みたいな顔で滑らかにベンチの隣に座った。余りにもスマートだったので、こちらの体は微動だにしない。早業だった。

ふー…とベンチについて伸びをした彼はくるりとこっちに向き直ると、大きな瞳をまっすぐこちらと合わせてにこ!とした。

「いきなりごめんな!おねーさん、良くこの公園来てるだろ? 鳩に餌とかやってさ」

『ぁ、ぅえ…』

「すごいキレーな人がいるな〜って思ってて、久しぶりに見かけたから、つい声かけちゃったんだけど」

『う、あ』

「てゆーかぶっちゃけおねーさんと喋って見たいって前から思ってたからさ、もうちょっとここ座ってても良い?」

『あ!?』

「だめ?」

パチン!と両手を合わせて少し低い位置に顔を持ってきた彼が上目遣いでそんなことを宣ってくる。対する私はほとんどカオナシみたいに同じ単語を繰り返し、パニックになった頭の片隅で『なんでや!』と連呼していた。

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- 面白くて一気見した者です、もう更新されないんですね、この感じだと……。残念です (11時間前) (レス) id: a4dff3124d (このIDを非表示/違反報告)
レモン - めちゃおもろいです!!夢主ちゃんの性格大好きです!更新楽しみにしてますっ! (12月12日 10時) (レス) @page43 id: 18ff82607c (このIDを非表示/違反報告)
はる - 初コメ失礼します!!この小説大大大大大好きです!!これからも頑張ってください!!応援しています!! (11月14日 20時) (レス) @page43 id: 41084e4d77 (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - イヤァァァァアオワッタ好きですで (9月18日 15時) (レス) @page43 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
猫目 - すごく好きです (7月15日 14時) (レス) @page43 id: 5daa8eb0a9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りんず | 作成日時:2019年12月28日 20時

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