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対処法130 ページ39



要するに、真咲さんは私がそういった仕事に携わるのが未だに嫌なのだ

「……まぁ、人間だしそういうこともあるわよね」

『私先輩のそういう切り替えの速さ大好きです』

「それはそれ。これはこれよ……そ・れ・よ・り!」

遠い目をした私の首に後ろからガバリと腕を回し、先輩が耳に口を寄せてきた。彼女の付けている香水が仄かに鼻腔をくすぐる

「私ね、あなたがアイデアに行き詰まってるのって、やっぱり情報収集が足りてないからだと思うよの!」

『しゅ、しゅうしゅう?』

「顧客のニーズを把握するべきってことよ!」

先輩が肩を掴んでがくがくと揺する。で、でる……さっき飲んだ紅茶がでる……


「たとえば……」

先輩は腕を組んで考え込んだ後、思い出したように顔を輝かせた

「一ノ瀬ちゃんは恋人とかいないの?」

『逆になぜいると思ったんですか?』

間髪入れずに拒否すると、先輩はアイラインをひいた目を丸くしてきょとんと呟いた

「え、いないの?」

『なんでいるのが当たり前みたいな前提で話が進んでるんですか???』

「だって一ノ瀬ちゃん、真咲君の事好きじゃないみたいだから……てっきりもう彼氏がいるのかと思って」

『彼氏がいない全人類真咲さんに惚れると思ってらっしゃる?』

そんな少女漫画のおもしれー男じゃないんだから……と呟くと、「え、違うの?」みたいな顔をされる。違うに決まってる。……え、決まってるよね?

『そういう先輩こそ、別に真咲さんに恋愛感情持ってるわけじゃないじゃないですか』

「まぁ既婚者だからねぇ」

『まじか』

まさかの彼氏持ちふっ飛ばして夫持ちだった

「でも私が夫と出会う前に真咲君に会ってたら惚れてたと思うわ。流石に」

『さすがに』

「だって彼、いい男だもの」

『いやそうやけども』

まじで少女漫画出身のおもしれー男じゃん……

「て違う違う。話がそれたけど、要するに恋愛経験の有無が大事なのよ」

先輩の声と私の手を握り込む手に力が入る。いたいいたいいたい

そんな白魚のような手のどこにそんなアホみたいな力が

『いやいや話がぶっ飛び過ぎでは?もはや大気圏レベルでぶっ飛んでますが?』

心做しかミシミシいい始めた両手に冷や汗をかきながら抗議すると、わかってないわね。と言わんばかりにため息をつきながら首をふられた。よく手入れされた髪が光を透かしてサラサラゆれる

「化粧はね、女のコがかわいくなるためにするもので、女が化けるためにするものなのよ」


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- 面白くて一気見した者です、もう更新されないんですね、この感じだと……。残念です (5月4日 12時) (レス) id: a4dff3124d (このIDを非表示/違反報告)
レモン - めちゃおもろいです!!夢主ちゃんの性格大好きです!更新楽しみにしてますっ! (12月12日 10時) (レス) @page43 id: 18ff82607c (このIDを非表示/違反報告)
はる - 初コメ失礼します!!この小説大大大大大好きです!!これからも頑張ってください!!応援しています!! (11月14日 20時) (レス) @page43 id: 41084e4d77 (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - イヤァァァァアオワッタ好きですで (9月18日 15時) (レス) @page43 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
猫目 - すごく好きです (7月15日 14時) (レス) @page43 id: 5daa8eb0a9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りんず | 作成日時:2019年12月28日 20時

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