対処法94 ページ3
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心臓が凍りついたような音をたてて、ざぁっと全身から血の気がひいた
あのストーカーが、公安警察?
それは可笑しい。安室さんが公安警察の刑事の顔を知らない訳がないじゃないか
そうだ、安室さん‥‥いや。降谷零なら知っていた筈だ
それなのに、安室さんはただのストーカーを相手取るようにしてAさんを守って見せた
‥‥‥果たして本当にそうだろうか?
俺がストーカーの事を知ったとき、安室さんの居合わせたタイミングが出来すぎてはいなかったか?
Aさんの情報を探るために近づいていたと思っていたが、それにしてはやけに協力的ではなかったか?
ストーカーを捕まえた後、Aさんへの対応が柔らかくなってはいなかったか? それは不自然な程に
そうだ。実際にそれでAさんは安心した。安室さんへの警戒を緩めた。明らかに距離が近くなった
どこからだ
どこから、
「工藤君、これはAさんに伝えるべきよ」
「‥‥‥いや」
俺は紙をぐしゃりと握りしめた
「これは、俺の方で何とかする」
「!? ‥‥どうして!? 彼女、尾行から盗撮されて写真送り付けられたりされてたのよ! その安室とかいう男が絡んでたなら、用心させるべきだわ!」
盗撮‥‥Aさん、盗撮までされていたのか。俺は教えてもらっていなかったが、灰原の情報収集力には舌を巻く
確かに灰原の言うことは正しい。でも
「助けてくれた男が自分にストーカーを仕向けた張本人だって知ったら、あの人がよろこぶって?
俺の考えとは違うな」
「!!」
灰原がぐっと唇を噛んだのを見て、語気を強めてしまった事に罪悪感を覚える
それでも、ただでさえストーカーの事にあんなに気を病んでいた彼女が、ストーカーから助けてくれた男が裏で糸を引いていたなんて知ったら、今度こそトラウマになるだろう
迂闊だった。安室透が手段を選ばない男だとは知っていたが、まさか一般人のAさん相手にそこまで強硬手段に出るとは思っていなかった
‥‥いや、きっと安室さんの中では、彼女は一般人の枠には入っていないのだろう
安室さんにとっての一般人は、守るべき国民。庇護すべき存在
安室さんにとってのAさんは、組織の人間。害を為す者。排除すべき存在だ
だから形振り構わない
Aさんがどうなろうと別段関心すら無いのかもしれない
彼にとってAさんは"正義"の対局にいる人間だ
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あ - 面白くて一気見した者です、もう更新されないんですね、この感じだと……。残念です (11時間前) (レス) id: a4dff3124d (このIDを非表示/違反報告)
レモン - めちゃおもろいです!!夢主ちゃんの性格大好きです!更新楽しみにしてますっ! (12月12日 10時) (レス) @page43 id: 18ff82607c (このIDを非表示/違反報告)
はる - 初コメ失礼します!!この小説大大大大大好きです!!これからも頑張ってください!!応援しています!! (11月14日 20時) (レス) @page43 id: 41084e4d77 (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - イヤァァァァアオワッタ好きですで (9月18日 15時) (レス) @page43 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
猫目 - すごく好きです (7月15日 14時) (レス) @page43 id: 5daa8eb0a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りんず | 作成日時:2019年12月28日 20時