対処法115 ページ24
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そうすると、どちらに天秤は傾くか
『推ししか勝たねぇんだよなぁ‥‥』
「大丈夫なんだよな?」
『ハイ』
キリリとした外面でスコッチに微笑む。今の私は名女優だ。アンジェリーナ・ジョリーだって今だけは私の前に平伏するだろう。アカデミー賞だって余裕のよっちゃんである(死語)
『すみません取り乱して‥‥お話ですよね。何か飲みますか?‥‥ウチ今カルウォズしかないんですけど』
客人には飲み物くらい出さなくては
冷蔵庫から取り出した、「体にウォーズ」と書かれたラベルつきの2Lペットボトル。通称「カルウォズ」と呼ばれる白い乳酸菌飲料を取り出す
スコッチに乳酸菌飲料を勧めても良いものだろうかと悩んでいると、彼は慌てたように両手を胸の前でふった
「あっいや、大丈夫なんだ! えっと、それも含めて話すから」
スコッチが急に表情を引き締めたため、私もそっ‥‥とカルウォズを冷蔵庫に戻す
灰青のつり目が室内灯を受けて硬質な光を帯びているのを見て、これは本当に大事な話なのだと覚る。真面目に聞こうと彼の前に正座し膝を整えると、彼の白い頬がふるりと震えた。緊張からかもしれない
「えっ、と‥‥な。単刀直入に言ってもいいか」
『ハイ。大丈夫です(大丈夫じゃない)』
「‥‥‥‥俺、実は幽霊なんだ」
『‥‥‥わんもあぷりーず?』
「俺、ゆうれ」
『いややっぱいいですすみません』
声を遮断しようと耳を抑えた。幽霊? ユーレイ? YUUREI?
いや分かるよ? 君本来はもう死んでるはずだもんね?
享年25歳だよ!? 可笑しいでしょ!!!! もっと幸せになって。幸せになれ。大事な事だから何度でも言うけど可笑しいって。余りにも短命。美人薄命ってか? やかましいわ!!
いや降谷さん以外全員故人なのが警察学校組の悲劇でもありエモでもあるんだけどね? 先生のストーリーには何の文句も無いけどね? それにしたって薄命だわ。もっと美味しいもの食べて馬鹿騒ぎしたってバチは当たらなかったはずなのに‥‥
‥‥止めよう話が進まない。これ以上考えてると瞳孔開きそう
「俺、実はちょっとした事情で死んじゃって」
『結構スゴい事軽くいってますよ』
「いやまぁ、深くつっこまないでくれると助かるんだが‥‥」
推しがそう言うなら私は突っ込まない。というか全部もう知っている
「あぁ、俺死んだんだなって思って。暫くは浮いてたんだよ。空に放り出されたみたいな感じで」
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あ - 面白くて一気見した者です、もう更新されないんですね、この感じだと……。残念です (5月4日 12時) (レス) id: a4dff3124d (このIDを非表示/違反報告)
レモン - めちゃおもろいです!!夢主ちゃんの性格大好きです!更新楽しみにしてますっ! (12月12日 10時) (レス) @page43 id: 18ff82607c (このIDを非表示/違反報告)
はる - 初コメ失礼します!!この小説大大大大大好きです!!これからも頑張ってください!!応援しています!! (11月14日 20時) (レス) @page43 id: 41084e4d77 (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - イヤァァァァアオワッタ好きですで (9月18日 15時) (レス) @page43 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
猫目 - すごく好きです (7月15日 14時) (レス) @page43 id: 5daa8eb0a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りんず | 作成日時:2019年12月28日 20時