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対処法108 ページ17

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唇をわななかせた女性が、ぺたりと尻餅をついた。はくはくと動く唇からは空気が漏れ、あまりの事に声をつむげない


それでも真咲さんは依然として、その氷の様な様相を崩さなかった


「なぁ」


これは間違いなかった。私が今までソレに触れてきたのはテレビの中や先生の漫画の中で、それも、もっと圧倒的な熱量を伴うようなものだった。コレは、違う。違くとも、間違いなかった



「聞こえなかったの?」


冷たいけれど、確かに怒りだ



真咲さんは怒っている



「___ご、めんなさ、ぃ」


ごめんなさい。ごめんなさい

空気を僅かに震わせる様なその声が、やけに響く。涙で顔を汚した女性達を一瞬見下ろした真咲さんは、次の瞬間


『ひっ!?』

「‥‥あーぁ」


ぐりん、と首を回してこちらをいきなり見た。余りに人間離れしたその動きに思わず悲鳴をあげると、先輩があちゃあ、とこぼす


「ほら多分ご指名だよ、準備して」

『じゅっ‥‥準備って、私はこれから何されるのでしょうか』

「え、決まってるじゃない」

つかつかと此方に寄ってくる真咲さんを尻目に、先輩はいい笑顔で笑った


「説教」


がしっ



「___一ノ瀬、ちょっと顔貸せ」

『‥‥‥はぃ』


____
__



人気のない会議室に入るやいなや、真咲さんは後ろ手で無機質な扉を閉め、鷲掴みにしていた私の肩を勢いよく放り出した


体勢を崩した私は前につんのめる。ちょっと! もう少し優しくしてくれても


「正座」

『ウィッス』

ドスの効いた声で言われて、私は音速で正座をした。こっわ‥‥真咲さんこっわ‥‥この数分で真咲さんの印象変わりすぎなんですけどどういうことなんですかねぇ‥‥エレガントヤンキーかな?


会議室の冷たい床は、ストッキングで正座するには厳しい。文句の一つでも申し立てようとして彼を見上げて、私はビキリと固まった


真咲さんは、見たことのない顔で此方を見下ろしていた。切れ長の瞳の眦は鋭く、元々ひんやりとした色をしていた眼が、氷の破片を散りばめた様な感情に照らされいっそう温度が低く見える

それなのに薄い唇が悔しそうに曲がっているのが、なんともアンバランスだ。拗ねている様な、悔いている様な、どちらともとれない表情だ



「‥‥俺は、今心底怒っている」

『ハイ』

「なんでか分かってる?」

『スミマセン、ゾンジアゲマセン』



真咲さんは深くため息をつくと、硬い声で言った



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レモン - めちゃおもろいです!!夢主ちゃんの性格大好きです!更新楽しみにしてますっ! (12月12日 10時) (レス) @page43 id: 18ff82607c (このIDを非表示/違反報告)
はる - 初コメ失礼します!!この小説大大大大大好きです!!これからも頑張ってください!!応援しています!! (11月14日 20時) (レス) @page43 id: 41084e4d77 (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - イヤァァァァアオワッタ好きですで (9月18日 15時) (レス) @page43 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
猫目 - すごく好きです (7月15日 14時) (レス) @page43 id: 5daa8eb0a9 (このIDを非表示/違反報告)
- 真咲さんカッコイイ❗更新頑張って下さい!😆 (7月5日 23時) (レス) @page42 id: 5bd30ec6cb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りんず | 作成日時:2019年12月28日 20時

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