対処法105 ページ14
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あぁでも‥‥ストーカーの聴取はちょっと幸せだったかも‥‥大好きなあんな刑事さんやこんな刑事さんに会えたし‥‥これはまさしく怪我の功名なのでは
そうでも思わんとやってられん
家で綺麗にセットした髪を呻きながらかく。するとまた頭がズキンズキンと痛んだ
ヒカリにかばわれて打ち付けたとき、すこしコブになってしまったらしい
満員電車にぎゅうぎゅうすし詰めにされ、会社に着いた時は既にヘロヘロである。絶不調なう
やっぱ止めといた方が良かったかなぁ‥‥コナン君の反対も振り切ってきちゃったし‥‥だってお仕事あるし‥‥
コナン君には嫌がらせを受けてる事は言ってなかった。それはきっと、キッドが言っていた「頼ってない」ってことに該当すると思うんだけど、だって今言ったら絶対行かせてもらえないやん?
ちゃんと後で言うから‥‥と言い訳しつつ、会社のロビーをくぐる。色々あった分集中できなかったのを取り戻さなきゃ‥‥と思って、仕事フロアに入って
『‥‥‥‥え』
ずしり。そんな音が聞こえそうな程、空気が重たくなった
ひんやりとした、良くない空気がみたされた仕事場で、ざわりと空気が轟いている
同僚や先輩達は、部屋の中央をとりかこむようにしてなにかを見ている
『な、なに』
何があったというのだろう。下手に呼吸をすることも許されないような重たい空気のなか、私は人垣の外から中央を覗いて
目を見開いた
いびつに歪んだその室内の真ん中には、肩を縮めるようにして一人の女性が立っている
まるで絞首台にたたされた様にその綺麗な顔を絶望に塗りつぶしたその女性には見覚えがあった
『広報課の‥‥』
彼女の後ろにも何人か見覚えのある女性達が真っ青な顔をして立っている
その女性の前に立っている、均整のとれた後ろ姿
背が高くて細身なその背中は、氷の張ったように冷ややかだった
私の同僚が、見たことのない冷淡さをまとってそこにいた
「一ノ瀬ちゃん」
『あ‥‥先、輩』
同じ課の女性の先輩が私を見つけて手招きしてくれた。なるべく空気を動かさないように、恐る恐る側にいく
『先輩、これって』
「一ノ瀬ちゃんは何にもしなくていいのよ」
そういう先輩の目は、呆れたように女性を見下した
「あの子達が、竜の尻尾をおもいっきり踏んづけちゃっただけだから」
意味が分からないでいると、錆び付いた部屋のなかに真咲さんのよく通る声が反響した
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レモン - めちゃおもろいです!!夢主ちゃんの性格大好きです!更新楽しみにしてますっ! (12月12日 10時) (レス) @page43 id: 18ff82607c (このIDを非表示/違反報告)
はる - 初コメ失礼します!!この小説大大大大大好きです!!これからも頑張ってください!!応援しています!! (11月14日 20時) (レス) @page43 id: 41084e4d77 (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - イヤァァァァアオワッタ好きですで (9月18日 15時) (レス) @page43 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
猫目 - すごく好きです (7月15日 14時) (レス) @page43 id: 5daa8eb0a9 (このIDを非表示/違反報告)
泉 - 真咲さんカッコイイ❗更新頑張って下さい!😆 (7月5日 23時) (レス) @page42 id: 5bd30ec6cb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りんず | 作成日時:2019年12月28日 20時