先生、対処法を！ ２【名探偵コナン】

対処法８７ ページ44

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とりあえず明るい大通りに出れば凌げるはずだ。それまで、どうか、それまで、‥‥



ボキッ


『、ぇ』


何か固い物が折れる音がした

重心が崩れ、体が揺れる。速度が落ちる


履いていたヒールが折れた音だった


『う、‥‥うそ、うそ!』


慌てて脱ぎ捨てて走るも、今ので大分距離が狭まってしまった


どうしよう





＿＿＿＿＿殺される





「Aさん、ふせて下さい!」

「Aお姉さん、ふせて!」


瞬間、前の曲がり角から声が飛んできた

破裂しそうに鳴り響く心音すら裂いて届いてきたその声に、反射的に。殆ど崩れ落ちる様に伏せる

すると、空を切るように何かが猛然と通りすぎ、凄まじい音を立てて後ろに当たった


恐る恐る地面に倒れこんだまま振り返ると、腕をおさえているフードを被った男の足元にサッカーボールが転がっている

「お姉さん、ケガは!?」

息を切らして私の前に片ひざをついたコナン君の脇を、コンパスの長い足が抜けていった

見ると、安室さんが豹の様にしなやかに男に躍りかかる所だった。鞭のようにしなる長い足が、鋭い音を立てて空を切り男の即頭部にめりこむ。昏倒した男はそのまま塀まで吹き飛ばされ倒れた

『ひ、ひぇ』

「えげつねぇな‥‥」

あまりに刺激の強い唐突なアクションシーンに目を回しそうになる。公安怖い、という感情と安室さんの生アクションが見られた。という感情がせめぎ合って五分五分である。私は混乱していた

ダメダメ。私今絶対スクリーンの前に居る時の顔になってた。違うこれ現実だから

「良かった‥‥危ない所でしたね」

ストーカーの腕をガッチリと拘束した安室さんが、私達のもとに戻ってきた。それを見た瞬間、ドッ‥‥と安堵が押し寄せてきていよいよ体の力が抜ける

殺されるかと、本気で思ったのだ

怖かった。恐かった。ほんとう、に




震える呼吸が空気を震わせる。気遣わしげなコナン君の視線に、安室さんの声が降ってきた

「間に合って、良かった‥‥あなたが、無事で」

しっかりとした腕が安心させるように抱き締めてくる。普段の私なら発狂ものの昏倒ものだったけど、この時ばかりは、そうもいかなかった



助かった

殺されなかった

‥‥たすけて、くれた



『ありがとう、ございま、す‥‥!』

まだ落ち着かない心臓をおさえて深呼吸をしていると、安室さんが私の背中をさすりながらスマホを取り出す





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