先生、対処法を！ ２【名探偵コナン】

対処法８１ ページ38

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ベンチの上に身を固くするように、小さくするようにして座っているAさんは、酷く不安定な瞳をしてうつむいていた


久しぶりに目にした彼女の可笑しな雰囲気に、頭が追い付かない


いつも頭を撫でてくれるAさんの白い手が、あんなに固く握られているのをはじめてみて、なんだか背筋がぞわぞわした


柔らかい陽光に照らされた栗色の髪が、今は彼女の顔を暗く閉ざしている



無意識だろうか、きつく噛み締められている彼女の唇が色を失っている。息が止まるようだった



嫌な動悸を抑えつつ近づく。瞳をゆらゆらぶれさせたAさんの反応はない




『‥‥もう、割りと、限界‥‥』




彼女は確かにそう言った。俺は頭を殴られたような気分だった



周りの喧騒の中、彼女だけが区切られた世界にいるように見える。昼下がりの現実のなか、彼女だけが一人きりで





＿＿＿＿『私一人で、なんとか、しなきゃ』




駄目だと思った。このまま放っておいたら、絶対に駄目だと思った。あそこに、一人にしておいたら

壊れそうなAさんに、ゆっくりと近づいていた足が走り出した。今すぐ捕まえなくてはいけなかった。速く、速く、速く!!!





「Aお姉さん!!」




＿＿＿＿＿
＿＿＿


急に耳に飛び込んできた声に、顔をあげる。そして走りよってきている姿を見留めて、目を疑った


『コナン君????』

「そうだよ!!」

癒しが欲しすぎていよいよ幻覚を見たかと思ったら、そうじゃなかったらしい。嘘でしょ?

少し息を弾ませているコナン君を見て、私は顔を両手でおおった。SAN値ピンチだった私に癒しが!救世主がここにいいいぃ!!

あ、なんか興奮しすぎて涙でてきたかもしれない

コナン君は息を整えると、輝かしい笑顔を浮かべた


「久しぶりだね! お姉さん!」


そんな国宝級の笑顔ホイホイ浮かべちゃ駄目だよ? いつもそんな感じなの? 大丈夫?? さらわれない???

いつもならそんな事を言って発狂する私だが、今はそういう訳には行かない


コナン君顔こっわ



否、コナン君のお顔がとおっても可愛いのは自然の摂理だから私も知っている。だって将来はあの新一君になるのだ。イケメンの幼少期が可愛くないわけがない



だが、今目の前で飛びきり可愛い笑顔を浮かべてるコナン君のオーラが、はちゃめちゃに怖い。いや、それはそれでかっこいいが、本能的に怖い。私の中の幼女が「はわわ‥‥」ってなってる





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