先生、対処法を！ ２【名探偵コナン】

対処法８０ ページ37

.

なんか、本場仕込み!って感じがするのだ

もしかして帰国子女だったりするのだろうか。紅茶の本場だったらイギリスとか‥‥コナン君のようなシャーロキアンが羨みそうだ

『‥‥申し訳ないなぁ』

これ以上、周りに迷惑かけたくない


私が、しっかりしなくちゃ‥‥‥!!



とか、思ってた時期が私にもありました

『はぁ‥‥』

鳩がパタパタパタ‥‥と平和に飛び去って行くのをやつれた顔で見送る。まじ私、いつ盗撮されてんの? 警戒心なさすぎでは? それこそ公園の鳩並みの警戒心では?


『もう、割りと、限界‥‥』


つけられているような視線。ねちねちねちねち送られてくるお手紙。寝不足の頭に響く甲高いお姉さま方の笑い声。隠される資料


本当に、本当にそろそろ辛い。心の柔らかい所がもうダメだもうダメだと悲鳴をあげている


でもムリだ。だってこの世界には私しかいない訳だし、頼れる人もいない。なんなら親族だって、私にはいないのだ

『私一人で、なんとか、しなきゃ』





＿＿＿＿なんとかって、どうやって?




「Aお姉さん!!」





＿＿＿＿＿＿
＿＿＿



「‥‥」

最近、Aさんの様子がおかしい



俺とのメールでも、明らかに文面から覇気がなくなった。少し前までなら、何故かパニクりながらも、こちらのことを大事に思ってくれてるような優しい文字をうつ人だったのに



一緒にお出かけしようという誘いも断られている。そりゃあ、彼女は社会人だし、むしろ今まで一度も断られたことがなかったのが異常だ。あれは俺のためにむりやり予定を開けていたとしか思えない。そう考えると申し訳なかったが、それと同時にそこまでしてくれるのが嬉しかった



だが、ここまで片っ端から断られるのは異常だ。避けられているとしか思えない




＿＿＿



(コナン君！)



＿＿＿＿



「‥‥‥何かあったのかなぁ」


心配する気持ちばかり急ぐ。今度はちゃんともう一度灰原にも会わせようと思っていた。歩美も猫に会いたがっていたと直接伝えたかった。話したいこともたくさんある

ランドセルをゆらしながら探偵事務所からそう遠くない公園に入る

元太達とのサッカーの誘いは断ったが、どうしてもそのまま帰る気分にはなれなかった


午後の光が照らす公園のなかで、沢山の声が飛び交っている


遊んでいる子供や、散歩している老人



その喧騒に混じって、七色の光を反射する噴水の向こう側に


「＿＿＿あ」





酷く顔色の悪い、彼女が座っていた






.

対処法８１→←対処法７９

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す