先生、対処法を！ ２【名探偵コナン】

対処法４６ ページ3

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「僕からは、此方を」

バーテンさんが目の前に置いてくれたのは、美しいゴールドの、透明なカクテルだった

一つあいた席に座っているため、安室さんは少し離れている。ちらりと様子を見ても、にこりと笑うだけだった


自分からカクテルの解説をしてくれるつもりはないらしい

「こちらは、コロネーションでございます」

代わりにバーテンさんが解説してくれる


「コロネーションは"戴冠式"という意味を持つ気品を持ったカクテルですね。ベルモットの香りが先行し、後からシェリーの香りが表れます」

飛び込んできた二つのお酒の名前にギクリとした

非常に聞き覚えのあるお酒だし

これってわざと？わざとじゃないよね？泣くよ？


震えながらなんとかグラスを手にとり、一口飲んでみる


ピリッとした刺激が舌をついた

『辛口なんですね』

「そうですね。カクテルは甘い印象のものが多いかもしれませんが、辛口の物もたくさんございます。コロネーションはのみごたえもしっかりしていますよ」


確かに、飲んだことのない美味しさかもしれない

「‥‥どうされますかお客様？ もうお下げしますか」

『え？』

まだ一口しか飲んでないのに？と思った

そりゃカクテルのグラスは小さいし、一口飲んだだけで残りは大分少ないけれど


‥‥もしかして贈りあう場合って、一口二口飲んだら下げるのが礼儀なのかな

そうなんですか？とか恥ずかしくて聞けない。ここは言うとおりに下げてもらおう

『お願いします』

「かしこまりました。では、あちらの男性にはどのカクテルをお出ししましょう」


穏やかに聞いてくれるバーテンさん。ダンディな大人の男性である。かっけぇ



『あの、メニューみたいなのってありますか？カクテルの名前とかあまり知らなくて‥‥』



恥ずかしく思いながら訪ねると、バーテンさんは小さく微笑んで黒地のメニューを出してくれた



全部写真つき。親切



(見た目だけで決めた方がいいよね。あとはちょっと聞いたことのあるやつとか、名前が綺麗なやつとか)

ざっと目を滑らせ、カクテルを選ぶ



『すみません、これでお願いします』

「かしこまりました」



銀のシェイカーを持ったバーテンさんが安室さんの方によっていく



「どうぞ」

「‥‥ブルームーン、ですか」



安室さんに渡したのは、青紫色のとっても綺麗なカクテルだった


名前もかわいくて、なんだかロマンチックだったし


私って意外と乙女なのかもしれない。いや元から女だけど




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