先生、対処法を！【名探偵コナン】

対処法８ ページ10

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公園で元太たちと遊んで、帰る途中だった




キャーーーッッッ！！




不意に聞こえたつんざく様な悲鳴。こちらに逃げてくる人々


っつ、事件か！？



すぐさま人の流れに逆らって走り出した


曲がり角を曲がった俺が見たのは、血濡れの刃を持つ男と、その足元に倒れている男性


逃げ遅れて、身を寄せ合う様にして震える人々



速く何とかしないとマズい！！


直ぐにベルトからボールを出し、犯人に向かって蹴りつける



そのボールは、犯人の前にいた女性の直ぐ横をかすめて、犯人にクリーンヒットした




よし！警察も呼んだし、直ぐに怪我してる男性をどうにかしねェと‥‥


『！ 大丈夫ですか！』


は！？


俺のボールが真横を通って呆然としていた女性が、何を思ったのかまだ呻いている犯人の側に駆け寄ったのだ



不要意に近付くな！

まだ安全だと確定した訳じゃねェのに！


焦る俺の気持ちなど少しも汲み取ってくれず、その女性は自分のスカートを破ると、少しぎこちないがそんじょそこらの一般人よりずっと鮮やかな止血を施した


先程の焦りが何故だかしぼんでしまって、俺はその女性の背後にゆっくりと近付く


『せーふ』


「何がせーふなの？」



声をかけると、女性はギギギギ‥‥と効果音が付きそうな動作で振り向く


「お姉さん、止血したの？ すごいね！」


あどけない子供のふりをして言えば、彼女はいきなり立ち上がった



‥‥って



「う、うわっ！？ 何やってるのお姉さん！」


引き裂かれたスカートの隙間からあまり日に焼けていない足が思いっきり見える



女性は、え？と言うような顔をした後


『全然気付かなかった‥‥』



あろうことか、普通に歩き出そうとした



恥じらいってもんがねェのか！？



こんな格好でうろつかせたら、ほぼ確実に変な輩に絡まれる



そう判断した俺は、自分の上着を腰に巻き付けさせると、何かごちゃごちゃ言ってる彼女を無理矢理引っ張って行った



＿＿＿
＿＿



家に帰り、蘭に適当な嘘をつけば、俺にふってくる冷たい目線



女性の白い目線に「話を合わせろ」という意味合いをこめて視線を返せば、何処か不満そうな顔で合わせてくれた



蘭が出ていき、二人になった事務所で彼女を見上げれば、何やら百面相をしている



‥‥もしや、先程のやつで気が動転してるのか



それこそ俺は、言い方は悪いが殺人現場なんて見慣れてるが、普通の人はそういうのは愚か、事件現場に居合わせる事の方が稀だろう

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