先生、対処法を！【名探偵コナン】

対処法１８ ページ22

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「‥‥Aさん。その辺にしておいた方が‥‥」

『やでふー』



‥‥これは参ったな‥‥



Aさんを家に招き入れて数時間

俺は、ライのボトルを胸に抱え込みふにゃりと笑う彼女に苦笑いをこぼした


「Aさん。明日が辛いですよ」

『おはなばたけがみえまふー』


遡ること数刻前

ミネストローネを、それはそれは気持ちのいいたべっぷりで食べてくれた彼女

余りのベタ誉めで、こっちが照れてしまう位だった

問題はその後

食後酒と洒落こもうと、買ってきた酒を袋から出した彼女は、缶酒が多い事に気が付いた


聞けば、どうやら変な名前の酒が気になりすぎて、無意識にカゴに入れすぎたらしい

多すぎるソレに、少し消費しようかと持ちかけたのだが、俺が缶酒を飲まないと言ったことを覚えていたのか、遠慮された(真っ青な顔だったのだが大丈夫だろうか)


責任を取ると、怒涛の勢いで飲み始めること数時間


『‥‥うー』

完全に出来上がっていた

ついさっき缶酒を全て片付け、ライを開けたばかりである

『沖矢さんものみまふ』

トポトポと俺のグラスに酒を注ぐ手元は、ふらふらと危なっかしい


酒が強いというのは本当らしく、確かに女性にしてはよく飲む方だとは思ったのだが

短時間にこれは、流石にムリだったか

「お体に触りますよ。洋酒はあまり得意ではないのでしょう？」

『ライはいいんでふ』


たしなめるように声をかけるが、彼女はボトルを離さない

そして、それを頬に擦り付ける様に抱き締めた

『‥‥もういっぱい‥‥』

「こら」

更に一口あおろうとする彼女

スパイシーな香りが鼻腔を掠めた


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『ぽかぽかしまふねぇー』

「‥‥」


思わず額をおさえた

俺のグラスに酒をつぎつつ、自分でもあおっていた彼女

とうとうボトルを満たしていた琥珀色はなくなった

『おきやさんーどうぞー』

「それはもう空ですよ。もうお休み」

ほとんど俺の顔ももう見えてないだろう


年頃の女性を家に泊めるのもどうかと思うが、こんな状態で外に出す方が危険だ


空のグラスを一生懸命に傾けている彼女に声をかけると、ふいに彼女が此方をむいた


『‥‥すばるさんー』


頬に何かが添えられる

じんわりと広がる熱


それがAさんの手だと気づくのに、数秒かかった


『すばるさんは、おんどひくめなんでふね』




変装のマスクごしから僅かに、体温が伝わる

酒のせいで熱くなった手

それは、久方に触れる人の体温



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