先生、対処法を！【名探偵コナン】

対処法１５ ページ18

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「着きましたよ。Aさん
‥‥Aさん？」

『(チーン)
‥‥ハッ、あ、分かりました！』

「大丈夫ですか？ 何か、魂が飛びかけていたような顔をされていましたが‥‥」

『気のせいですよ気のせい！
別に幽体離脱なんかしてませんって！』

「いや、そこまでは言ってないんですが‥‥」


ま、まずい

危うく失神するところだった

額に滲んだ汗を拭い、私はその洋館を見上げる

どっしりとした佇まい。見慣れた門‥‥

間違いない

ここが、あの「工藤邸」だ


あぁ、先生‥‥ありがとう

もし帰れたら、一生お仕えしますね

心の中で合掌していると、沖矢さんが扉を開けた


「Aさん。どうぞ」

『お、お邪魔します！』

一ノ瀬 A


今、聖域に足を踏み入れます！



＿＿＿
＿＿


スーパーでその少女を見かけたのは偶然だった

ボウヤ達に出すお菓子を何か買おうと、立ち寄っただけだった


『トマト缶トマト缶トマト缶トマト缶‥‥』


呪文の様にトマト缶と唱え続ける彼女を見かけたのは、そこでだった

カゴの中を見る限り、スープを作ろうとしているのか

どちらにせよ、少し目を引く光景だった

(‥‥あのトマト缶‥‥)


まあまあ高いのに、あまり美味しいとは言えないメーカー

あんなに呪文を唱えてしまうほどトマト缶に執着しているのに、まずい物を買ってしまうのは少し可哀想だなと思った俺は

「お嬢さん」

思わず彼女に話しかけてしまった

『はっはい！‥‥！？』

そう言って振り向いた時の彼女の顔はとても忘れられる様な物ではない

黒目がちだと分かる瞳をこれでもかという程見開いて、驚いているということが一瞬で分かる表情だった

はっきり言ってしまえば少しまぬけに見えた

まぁ、いきなり知らない男から話しかけられればそうなるのが普通かもな

そんなことを考えながらオススメのトマト缶を紹介すると、とても動揺されながらお礼を言われた

そんなに警戒される様な容姿なのか俺(沖矢昴)は‥‥

ちょっとだけ落ち込んでいると、お礼をしたいと言う唐突な申し入れ

若いのに礼儀正しいな

少し感心した俺は、お菓子を選ぶのを頼むことにした

甘いものは余り食べないからな

お菓子棚とにらみ合いを始めた彼女を見る

スナック菓子を次々と手に取り、吟味をしていた
(ロッテパンダのマーチを取った時、物凄く目がキラキラとしていた。きっと好物だったのだろう。買ってあげたくなる顔だったが、流石に初対面でソレは気持ち悪いとでやめておいた)

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