LVIII ページ10
ル「こっ…これは……っ？！」
グ「ごめん、ルイス。
……最後の最後で油断した…」
食事の用意が出来たと呼び出され、豪華ではないが美しく彩られたテーブルに一人分ずつ置かれた見たことのない色のスープに、席に着きにこやかに微笑むアルバート、貼り付けた笑顔に空気の重いウィリアム達の姿があった。
誤魔化すようにいそいそとカトラリーを並べるウィリアムとフェルディアを横目にグウェンはルイスに小声で、地を這うような低い声を漏らす。
グ「綺麗好きなアルバートが率先して片付けをすると言って納得してしまったのがいけなかったんだ…。
1人にするべきじゃなかった」
ル「いえ、グウェン義兄様は最後までよく戦ってくれました！
大変でしたでしょうに…本当にありがとうございました」
アルバートと共にキッチンに立つ過酷さを十二分に知っているルイスは、疲弊しすっかり生気を失ったグウェンの手を慰めと感謝を込めて優しく握った。
ア「さぁ、グウェンとルイスも座って。
夕食にしよう」
ル「はい！」
ア「ミートパイはウィリアムとフェルディアと私が、デザートはグウェン、スープは皆を驚かせたくて私がこっそり作ってみたんだ」
ル「皆様、ありがとうございます。
それで…その…スープには何を入れたんですか…？」
ルイスの質問にアルバートを除く皆が固唾を飲んだ。
ア「皆が好きなものをそれぞれ入れてみたよ。
後はキッチンに置いてあった酒を少々…」
『(料理酒のことでしょうか…お酒好きなアルバートお兄様らしいですわ)』
ウ「(…闇鍋みたいですね)」
グ「(味の想像が全く出来ない…！)」
ル「(流石兄様、センスがズバ抜けていますね！)」
それぞれがそれぞれに感想を述べる。
『そ、それでは頂きましょうか。
冷める前に食べましょう…！』
グ「そうだね！
みんなで作った料理を食べるなんて初めてだなぁ！」
ウ「いつもとは違う楽しみがありますね」
ル「はい！頂きましょう！」
アルバートが優雅に晩酌を始める中、4人は真っ先にスプーンを手に取り、気品を保ちつつ、勢いよく口に運ぶ。
「「「『っ〜〜〜〜〜______！！！！』」」」
この晩、モリアーティ家別宅には悲鳴にも似た声が微かに、しかし確実に響いた。
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千夜(プロフ) - いあ様コメントして下さりありがとうございます！！そう言って頂けて感謝しかありません！優モリはどこを切り取ってもカッコいいところしかないので心臓が持ちませんね笑 (2022年7月29日 14時) (
レス) id: bbb60d0339 (このIDを非表示/違反報告)
いあ - 文章一つ一つが丁寧で分かりやすいし、凄い面白いです、大好きになりました！愛してます！憂モリは皆顔面偏差値高くてもはやしんどいですよねw (2022年7月28日 21時) (レス) @page7 id: c09dd7b5a1 (このIDを非表示/違反報告)
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