検索窓
今日:8 hit、昨日:19 hit、合計:18,430 hit

LIX ページ11

グ「はぁ〜…酷い目にあった…」


何とか食事を終えたグウェンはバルコニーで夜空に光る星々を見つめながら大きく息を吐く。


風呂上がりだったこともあり頬を撫でる風が心地よく、ゆっくりと息を吸う。


グ「(やっぱり田舎なだけあって空気が澄んでる…

  フェルディアの療養場所にも丁度いいな___)」


バルコニーの縁に肘をつきながらぼんやりとしていると後方でガチャリと戸が閉まる音が鳴る。



ア「そんな所に居ては風邪を引いてしまうよ?グウェン」


グ「……バスローブ姿の君に言われても説得力に欠けるんだけど」



声のする方を振り返りかえらずにそう答えると、アルバートがブランケットを片手にグウェンの側に足を進めた。



グ「それに…風邪を引くのはアルバートの方でしょ。


  風呂上がりたてで髪もまだ濡れてるくせに」


ア「私は風邪を引きにくいから問題ないさ」



グ「雨に濡れて風邪を引いて数日寝込んだことがある癖に」



あの時の鼻声は面白かったなぁ〜、とグウェンが意地悪な表情を見せるが、あの時は子どもだったからね、と慣れた手つきでアルバートがブランケットをグウェンの肩に掛ける。



グ「…ほんと、そういうところがムカつく」


ア「お褒めの言葉ありがとう。




  …ねぇ、そろそろ良いんじゃないか?」



グ「何が___っ」



グウェンがアルバートに視線を向けると目の前がアルバートで埋まる。



控えめなリップ音の後、アルバートはグウェンの頬を包み目線を合わせる。



ア「せっかく2人きりになれたんだし、もうアルって呼んでくれても良いと思うんだけれど。



  ほら、呼んで?」



グ「……やだ」



顔を真っ赤にしたグウェンは唇を噛みアルバートを睨みつける。


その行動がよりアルバートを煽っているとも知らずに__。

LX→←LVIII



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (54 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
233人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

千夜(プロフ) - いあ様コメントして下さりありがとうございます!!そう言って頂けて感謝しかありません!優モリはどこを切り取ってもカッコいいところしかないので心臓が持ちませんね笑 (2022年7月29日 14時) (レス) id: bbb60d0339 (このIDを非表示/違反報告)
いあ - 文章一つ一つが丁寧で分かりやすいし、凄い面白いです、大好きになりました!愛してます!憂モリは皆顔面偏差値高くてもはやしんどいですよねw (2022年7月28日 21時) (レス) @page7 id: c09dd7b5a1 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:     | 作成日時:2022年1月30日 10時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。