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58話 ページ15

Aside

太宰さんがあろうことか
そのまま帰ろうとしたので引き留めて
夢野君と中也さんの帽子と中也さんを拾って
ついていく形で帰路を歩く。



太宰「Aちゃん力持ちだねえ」

貴「そういう能力使ってるだけですよ……」



「私自身は非力です」自嘲するように笑いながら
太宰さんの後を追うように歩いていく。


……腕が足りるのかと云われたら
余裕で足りないので人を乗せられるような引き車を
『創』ってそれを『醒ます』を使って引いている。

なので今後ろを見たら寄り添って寝てる
見た目子供二人組が見える。一寸した癒しだ。



太宰「ふうん……。
それにしてもAちゃんは万能だねえ。
先刻私と中也の傷を癒したと思えば今人二人乗せた車を
たった一人で引いて歩く程の力を手に入れる能力を
使うことができるだなんて」

貴「真逆。こういう大荷物のときに
瞬間移動ができない辺り万能じゃありませんよ。
それに、人の傷を癒せても、私の能力の大半が
人を傷つけることのできる能力です」



「褒められたものじゃありません」自分で云っておいて
少し悲しくなったので、目を伏せながら笑う。

「おかげで居場所ができたのですが」少し前向きに
発言をしてみても、この場所に生きるのがいいことかも
判らないと云うのに、と矢張り少し悲しくなる。


……結局、化物の私には居場所なんてないんだ。
だからあの子たちは私のことを拒絶して……。



貴「……まあ、悔やんでも仕方の無いことです」

太宰「……本当に君は、それでいいのかい?」



「君は光にも成れる」太宰さんはいつになく真剣に
私のほうを見て断言する。「君は優しいじゃないか」


……優しい。
真逆彼からも云われるとは思わなかった。



貴「……優しくなんかないですよ、優しくなんか……。
だって、私は……。私、は……」


[化物] [疫病神]
[Aちゃんがそんな人だとは思わなかった]



「……っ、あ……ぅう……っ」息が苦しい。
ろくに呼吸ができない。頭と視界が白くなる。

遠くから、太宰さんの心配する声が聞こえる。
貧血の時みたいに耳が遠くなってて全然聞こえない。


……ああ、嫌なことを思い出しちゃったな。
遠い記憶の中の人たちが私を罵ってるのが判る……。


相変わらず視界が白くて、耳が遠くて
キーンと甲高い音ばかりが聞こえている。



貴「……ぁあ、みすっちゃ、った……」

太宰「────!」



今日はここ数年間で一番最悪な日だ……。

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赤梓 マーチ(プロフ) - みくろんさんさん» コメント、そして批評ありがとうございます。折角なので時間がある時にいろいろ見直して書き直して行こうと思います。今後とも頑張ります。 (2018年5月19日 2時) (レス) id: 6b5f2ab21e (このIDを非表示/違反報告)
みくろんさん - この小説、正直読みずらいです… 行替え、というか間隔開けすぎです。あと、状況表現の文章力が欠如しすぎです。 頑張ってください (2018年5月19日 1時) (レス) id: d5a7b772b9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:マーチ( *˙ω˙*) | 作成日時:2018年5月1日 23時

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