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A。
ドアに近付こうとしたらグルッペンに手を掴まれた。
チュッ
「へあッ!?」
「手間賃だ。危うくタダで直してやるとこだった」
ちゃんと払ってもらわんとな、と言ってまた窓ガラスの修復に戻るグルッペンと、耳に残ったやけに可愛らしいリップノイズ、そして口付けられた手の感触。
「やるなぁ」
感心したようにひとらんさんが呟き、一気に顔が熱を帯びた。
「…こッ、…ぅう…!」
さっさとこちらに背を向けてしまったグルッペンに怒ることもできず、口から出かかった文句はもう飲み込むしかない。
先に廊下で待っていたひとらんさんはニヤついてんだか微笑んでるんだか微妙なラインで、恥ずかしくて下を向いてついていくしかなかった。
等間隔に窓が並ぶ長い廊下を進む。
軍と名の付く組織がこんな広い城を構えているのに、誰一人すれ違わないどころか影さえ見えない。
「寄りたい所があるんだ、いいか？」
「え、あ、はい」
兵とかメイドとか魔族とか、多少の賑やかさがあると思っていたが、私たちの会話と足音以外なにも聞こえない廊下を進んでいく。
変わり映えの無い視界だ。がしかし、歩を進めるたびに、窓からの景色、靴裏の感覚、歩く速度、それがすべて結びつかないというか、騙し絵を見たような変な違和感が大きくなっていく。
酩酊したような息苦しさを覚え、ひとらんさんの気配に集中しないとどこかに置いていかれそうな気がして、次第に怠くなる足を必死に動かした。
「着いた」
一度も曲がらずただひたすら真っ直ぐ歩いたつきあたり。丸いアーチ型の扉があった。
「ちゃんとついて来れたな、偉い偉い。大丈夫か？」
「すいません、少し、疲れたようで、」
「謝らなくていいから。どっちかっていうと俺が悪いし」
背中を支えられ、促されるまま部屋の中へ入るとそこには、一人の、女せ、男せい？女性？とりあえず中性的な顔立ちをした人がいた。
「やっときたー！待っとったよー！おいでおいでー！」
ここはリビングかドローイングルームだろうか。中央に置かれたソファから疲労を丸ごと吹っ飛ばすほど高いテンションの人がすごい手招きしてくる。
片側だけを長く伸ばしたアシンメトリーの亜麻色の髪、どことなく猫っぽいやや吊り上がった目とふにゃんとした口元。
余りのウェルカムオーラに一歩引きそうになるも背中に回った腕がそうはさせない。
ほぼ押されるような形でひとらんさんと一緒にその人の対面に立った。
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あまぎ(プロフ) - しおりんさん» gﾙさんの瞳の色が青や赤に変わるのに疑問を持ったセリフです！久しぶりに読み返しましたが描写の印象が薄くて分かりにくいですね…せめて分かりやすいセリフに変更しとこうと思います。また何か疑問があればコメントくださる嬉しいです！ありがとうございましたー！ (2020年9月9日 3時) (
レス) id: 975a9486c5 (このIDを非表示/違反報告)
しおりん(プロフ) - １１の『あ、れ？瞳の色が、』ってどういう意味ですか？ (2020年9月9日 0時) (レス) id: 527cd6ca75 (このIDを非表示/違反報告)
ろん(プロフ) - う、うわあああ、、、、！！！ そ、そんなに言ってい頂けるなんて、、、、！！！これからもあまぎさんの書かれるお話を楽しみにしております。 (2019年12月11日 10時) (レス) id: e80195a521 (このIDを非表示/違反報告)
あまぎ(プロフ) - ろんさん» 拝見した瞬間「え、うま…」とリアルで言いました。可愛っ！素朴で芯が通ってる雰囲気に清廉された可愛らしさがあり大変ﾖﾛｼｵｽ!!!!!!!いいもの見せて頂きました。夢主ちゃんにはこれからも魔王軍に苦労して頂きます…頑張ろうな。イラストありがとうございました！ (2019年12月11日 7時) (レス) id: 975a9486c5 (このIDを非表示/違反報告)
ろん(プロフ) - こんな感じで描いてみました。http://uranai.nosv.org/img/user/data/5/cye/5cee1e2d27d68efd0990e96722f9c62a.png (2019年12月10日 15時) (レス) id: e80195a521 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あまぎ x他1人 | 作成日時：2019年11月3日 20時
