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コイツがさっき捲し立てた話を聞く限り、人類を滅ぼす気はないけどお前の魔力と血が欲しい。だから人類全員を人質に取ったぞってことだろ。
コイツにとっての娯楽はそのままに食事だか嗜好品が一緒に手に入るってことだ。私が一方的に損だし、なにより魔王を喜ばせる行為。せめて交渉を、少しでも制限を緩めるため鈍りそうなる思考に鞭を打つ。
「どうしても私の魔力と血が欲しいなら、お前が必要なときにここに来てやる。それで、」
「ちなみにあと10秒で街が1つ消えるぞ。いややっぱ3秒にしようかな。さーん、にぃーい」
「はやいはやいはやいはやい！聞けって！」
「いーち、」
私に注がれる視線が冗談ではないと告げる。
「ふざけんなお前！」
掴みかかろうとすれば身体に雷でも落ちたような痛み。止められない。ダメだ。このまま大勢の人が死ぬ。
私が、
ぐらりとあんなに必死こいて動かしていた脳みそが空っぽになった。
「はいるぐるっぺんっ！！！」
なりふり構わず遮るように叫んだ。
頭が痛い。心臓がうるさい。急に押し黙り、スローモーションの如く片手で顔を覆った男の口角が次第に上がっていく。
馬鹿なヤツだと、いっそ私を嘲ってくれたら良かったのに、次に見たのは、欲を湛えた恍惚の表情。まるで恋煩いしているかのような視線にドキリとした。
「グルッペン･･･？」
「ああ、素晴らしい･･･契約成立だ」
口元の血が拭われ、契約書に浮かび上がった私の名前の横に擦り付けられる。鈍く光を放ち始めた契約書の周りを見たことも無い文字列が螺旋を描き、グルッペンが何事か囁くと同時にそれは紐状になり丸まった契約書を固く結んだ。
男にしては綺麗な指が愛しげに契約書を撫でていく。
「さぁ、･･･これでお前は俺のモノだ。いやぁめでたい、ようこそ魔王軍へ。歓迎しよう」
「ぜんぜん嬉しくない」
契約書を懐に仕舞い終えた手が血を滲ませる唇にまた触れようとするのを避ける。顔を背けることでしか拒絶を表せない私がそんなに面白いのか。蒼灰の瞳に笑みを湛えたグルッペンがカーテンの向こうに呼びかけた。
蒼灰…？
瞳の色が…また変わった？
さっき一瞬だけ見えた、怖いほど鮮やかな紅い眼が元の深い海の色に変わっている。
コイツ、瞳の色が変わるのか…？
「おーいトン氏ー。終わったぞー」
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あまぎ(プロフ) - しおりんさん» gﾙさんの瞳の色が青や赤に変わるのに疑問を持ったセリフです！久しぶりに読み返しましたが描写の印象が薄くて分かりにくいですね…せめて分かりやすいセリフに変更しとこうと思います。また何か疑問があればコメントくださる嬉しいです！ありがとうございましたー！ (2020年9月9日 3時) (
レス) id: 975a9486c5 (このIDを非表示/違反報告)
しおりん(プロフ) - １１の『あ、れ？瞳の色が、』ってどういう意味ですか？ (2020年9月9日 0時) (レス) id: 527cd6ca75 (このIDを非表示/違反報告)
ろん(プロフ) - う、うわあああ、、、、！！！ そ、そんなに言ってい頂けるなんて、、、、！！！これからもあまぎさんの書かれるお話を楽しみにしております。 (2019年12月11日 10時) (レス) id: e80195a521 (このIDを非表示/違反報告)
あまぎ(プロフ) - ろんさん» 拝見した瞬間「え、うま…」とリアルで言いました。可愛っ！素朴で芯が通ってる雰囲気に清廉された可愛らしさがあり大変ﾖﾛｼｵｽ!!!!!!!いいもの見せて頂きました。夢主ちゃんにはこれからも魔王軍に苦労して頂きます…頑張ろうな。イラストありがとうございました！ (2019年12月11日 7時) (レス) id: 975a9486c5 (このIDを非表示/違反報告)
ろん(プロフ) - こんな感じで描いてみました。http://uranai.nosv.org/img/user/data/5/cye/5cee1e2d27d68efd0990e96722f9c62a.png (2019年12月10日 15時) (レス) id: e80195a521 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あまぎ x他1人 | 作成日時：2019年11月3日 20時
