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魔族の再生能力は他の追随を許さない。
目に大ダメージを与えたばかりですぐに復帰し、鼻歌を唄いながら人の髪をセットした後またスマートに会場前に案内できる種族が他にいるだろうか。
「着きましたよお嬢さん」
「ふげぇ…」
もうため息しかでない。
この先に何がいるかって考えたくもない。この扉をくぐるとゴーレム100体いる闘技場ですと言われた方がどれだけマシか。
「中に入ったら俺がAちゃんを席まで案内するな？んでそのあとはグルちゃんの話とか自己紹介とか適当にあるから流れでやればええよ」
待ってください心の準備を、と追い縋る暇もなく、とてつもなく軽いノリで入るよーっと言われ容赦なく扉が開いた。
その瞬間の異様な雰囲気に思わず口を紡いだ。
なんだこの静かだけどなにかの弾みで爆発しそうな危うい空間は。
想像していたより明るい室内のせいで中央のデスクに等間隔に座る幹部たちと一番奥に座すグルッペンの意地の悪そうな顔がよく見える。
目の前を歩く背広だけを視界に収め、案内されたのはグルッペンの向かい側の席。左手には鬱さんが、右手には書記長が座っていて愕然とした。この席順ってどうなんだ…。マナーに詳しくないから分からないが隣に書記長、そして目の前にグルッペンはやめて欲しかった…！
「揃ったな」
どことなく浮き足立っていた空気が一瞬で締まった。本人は待ち侘びたぞとでも言いたげに喜色を滲ませ私から視線を外さない。朗々とグルッペンの演説が響いた。
「同志諸君。諸君らは共に喜んでくれるだろう。先日、人間でありながら我らと同じく魔の力を宿す存在との契約が成された。すでに数名の幹部は挨拶を交わしたようだが改めて紹介しよう。我が城に招かれ、公明正大な契約の元に我が所有物となった者だ。それじゃあA。自己紹介よろしくナ！」
「へっ？…ぇ、」
言い終わるや否や一斉に何十もの視線が注がれ体が固まった。
正直緊張感でグルッペンの話がほとんど頭に入って来なかった上に今ので一気に頭が真っ白になってしまった。
挨拶ならよろしくお願いしますが定番だけど、よろしく出来ない場合はどうしたらいいんだ。ちくしょうしっかりしろ私。こんなので怯んでどうする。魔族がなんだ。
「Aです」
力が抜けそうになる足を叱咤し立ち上がった。
「いま紹介があった通りそこの魔王と契約を交わしましたが、私はその契約を守る気はありません。絶対に逃げてやります。以上」
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あまぎ(プロフ) - しおりんさん» gﾙさんの瞳の色が青や赤に変わるのに疑問を持ったセリフです！久しぶりに読み返しましたが描写の印象が薄くて分かりにくいですね…せめて分かりやすいセリフに変更しとこうと思います。また何か疑問があればコメントくださる嬉しいです！ありがとうございましたー！ (2020年9月9日 3時) (
レス) id: 975a9486c5 (このIDを非表示/違反報告)
しおりん(プロフ) - １１の『あ、れ？瞳の色が、』ってどういう意味ですか？ (2020年9月9日 0時) (レス) id: 527cd6ca75 (このIDを非表示/違反報告)
ろん(プロフ) - う、うわあああ、、、、！！！ そ、そんなに言ってい頂けるなんて、、、、！！！これからもあまぎさんの書かれるお話を楽しみにしております。 (2019年12月11日 10時) (レス) id: e80195a521 (このIDを非表示/違反報告)
あまぎ(プロフ) - ろんさん» 拝見した瞬間「え、うま…」とリアルで言いました。可愛っ！素朴で芯が通ってる雰囲気に清廉された可愛らしさがあり大変ﾖﾛｼｵｽ!!!!!!!いいもの見せて頂きました。夢主ちゃんにはこれからも魔王軍に苦労して頂きます…頑張ろうな。イラストありがとうございました！ (2019年12月11日 7時) (レス) id: 975a9486c5 (このIDを非表示/違反報告)
ろん(プロフ) - こんな感じで描いてみました。http://uranai.nosv.org/img/user/data/5/cye/5cee1e2d27d68efd0990e96722f9c62a.png (2019年12月10日 15時) (レス) id: e80195a521 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あまぎ x他1人 | 作成日時：2019年11月3日 20時
