ホーセズネック 2

68 ページ28

隆二Side









｢もしかして、悩まされてる相手ってこの方ですか笑｣









｢そうなんすよ笑、やっぱりマスターは凄いっす｣









｢常連様の心も読めないでこの店のマスターは務まりませんから笑




今日は何も飲まれていきませんか？｣









｢うん、今日は車だからやめておきます｣









｢この方の家、分かりますか？｣









そうか、あと十分ぐらいで閉店か、









｢知り合いなんで、連れて帰ります｣









｢ありがとうございます、｣









｢あ、これ彼女が飲んだ分、｣
そう言って渡した万札をマスターは受け取ってくれなくて









｢今日は、頂くのは辞めておきます。




またおいでになるとおっしゃってたので｣









｢そうっすか、ありがとうございます、笑｣









｢いえいえ笑｣









机に突っ伏している舞ちゃんの肩を持ち上げて
ドアのところでマスターに会釈をして
俺の車の助手席に乗せた









来る時は無かった緊張感が
俺の中を漂う









俺ん家、でいいんだよな、









信号で止まって横にある寝顔を眺める









｢会いたかった、｣









その言葉は舞ちゃんには伝わるはずのない、、
なのに









｢りゅう、じ、、、さん｣









寝言でそんなことを言うから
この人に溺れていく自分を止めることは出来ない









この気持ちに、、ブレーキを掛けるものなんて無い









そう信じてた

69→←67

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す