狼 ページ19
rd side
隊長はインカムを着るや否や、俺たちに“自由行動”といつも通り指示を出して言ってしまった
今日は久しぶりにあの堂々とした隊長を見て…
初めて、、人に頼る隊長……テトを見た
kyo 「今まで俺たちに行かせてたのも、、そのためか」
cn「あの感じだと随分前から考えてたんだろうね…」
md「…ｵﾚｯ……ﾀｲﾁｮ、、」
ru「隊長と居たいね…始めはあんなに“嫌いだった”んだけどな」
戦争中に俺たちはそれぞれ違う国で拾われてこの軍で育てられた
拾われた当時皆ボロボロで…警戒しあっていたけど
無茶苦茶な訓練をこなす上で仲良くなっていった
『“生きろ”』
あの時の一言に、、差し伸べられたあの手に皆救われた
戦火で輝いて見える金髪と灰色
右目の酷い傷は眼帯で覆ってなくて
赤黒い瞳とスカイブルーが真っ直ぐ、全てを見透かしているかのように見てくる
この人にならついていっていいかもしれないと……
rd 「あれでしょ？すぐそこにある崖を朝イチに往復で10登らないと朝飯抜きとか？」
kyo 「まだ毎日やってるけどな」
cn「あれきつかったなぁ…」
ru「死ぬかと思ったもんね」
md「ｱﾝﾅﾉﾀﾞﾚｶﾞｿｳｿﾞｳｽﾝﾉ?」
まずあれは14歳にさせる事じゃ無いね
他には山に仕掛けてるトラップを掻い潜って往復30回
獣に追わされたりしたな
死にそうになったらいっつも助けに来てくれてたから、訓練の様子をちゃんと見てくれていた
なんでこんなことさせてくるんだろうって憎くて…
時折り見えるテトの優しさが憎めなくて
最近じゃ自主練とか例の国に行って書類仕事や見回りして俺たちはD国での戦争にあまり参加したことが無かった
俺たちは5人とも術師になった時からそうだ
俺は父さんが奇術師で、裏社会の人間に殺された
父さんも父さんで術師だからと言っていい気になって、訓練という名のただの暴行をしてきたりが多かったがテトは違う
俺は…
rd 「皆…俺さ……あの国に行く前にしたい事がある」
md「？」
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