忠誠 ページ30
次の日
《訓練所》
kn「目隠し…ほんまにするんけ」
『お前耳ついてる？』
kn 「…ｳｹﾞｪ」
手元の目隠しを渋々つけるコネシマ
kn 「なぁ、A」
『何だコネシマ』
kn「ずっと思っとってん…」
「“ババァ殺したんはあんたなんやろ？”」
『そうだ、俺が殺した』
kn「そっか…
ありがとなw…何から何まで……」
『…どういたしまして』
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kn side
目隠しをする
慣れない目を覆う布に違和感を覚えた
頭に、、
あの時の光景が流れた
ｶﾞﾁｬﾝｯ
キャーーーーーーーーーーーーｯ！！！！？！？！
メイドや執事の騒ぎ慌てふためく声
その声、足音で目が覚めた時にくる瞼の腫れぼったい痛み
隣で横たわり寝ているレミリア
レミリアの瞼も赤く腫れ上がっていた
体が鉛のように重くて起き上がると足の痣が月明かりでよく見える
窓が勢いよく開き、
窓の外には屋敷が見えて
真っ白な通路に赤い池が出来ていた
所々肉片が落ちている
そこに静かに佇む奴は何処か見覚えがある
ボロボロで黒とアカの服を着ていて、その口の周りは真っ赤だった
何か…誰かと話している
そいつと振り返り際に目が合った
その顔は極偶に夢に出てきていた
きっとそいつは俺らの救世主で
“表向死んだ事にされていた俺の母”
“八つ当たりして、暴言吐いて、鞭打ってきたあのババァを消してくれた…否”
“喰ったんや”
母さんが殺されたその日から、親父はよく外に行くようになった
明らかに暴力は減ったが教育係が増えた
そして来客が増え出す
レミリアの母親が正式にスカイ家の者になった
親父はいつからか研究室と自室、外出のいづれか増えていた
その目は俺たちと同じ水色で
俺たちに向ける視線は冷ややかだった
でも最後に会った時
勝ち誇ったような目
Aの瞳は何も表に出さない
片目だけやからかわからへんけど、、その目はいつも何かを捉えている
毛先がグレーに染まった金髪は俺と同じ色だ
…ほんまに俺の姉なんやな
kn「なぁ、A」
『何だコネシマ…』
目隠しをした暗い世界で声のする方に顔を向ける
kn「姉貴って呼んでもええ？」
『…好きにしろ』
あんなに無碍に踏み躙っても味方でいてくれたんや
俺はこの国の為に…グルッペンの為に…
レミリアの為に
そして
あんたの為にやったら死ねるわ
kn「姉貴！」
『五月蝿い』←
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