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昔、夢を見た。
真っ暗闇の中、坂本くんを中心に５人が円になっている。ちょうどその頃「学校へ行こう！」のロケで囲んだ、キャンプファイヤーの火みたいに。
坂本くんは言う。
『俺は朝の情報番組が決まったから、V6を辞める』
引き止めても、引き止めても、坂本くんが頷くことはなかった。俺が駄々をこねれば、大抵のことはくつがえしてきた人なのに。「なんで？」と何度聞いても、納得のいく答えは返ってこない。
どーしちまったんだよ。あんたが一番、V6のこと好きだっただろーが。何だよ情報番組って…。
目が覚めると、俺の頬は冷たくぬれていた。
その時、初めて気がついた。
自分が守りたいと思っているものを、誰かが同じように思ってくれないというのは、これほど悲しいことなのだと。ずっとそばにいると思っていた人に、あっけなく去られてしまうのは、こんなにつらいことなのだと。
ずっとうっとおしかった、坂本くん。
ずっと嫌いだった、V6。
それが年月を重ねて、少しずつ、少しずつ、自分の中でかけがえのないものになっていく。他の何にも代えられない存在になっていく。そんな感覚があった。別にこの人たちのことを好きになったわけじゃない。グループの居心地が良いわけでもない。
それでも、俺は確かにこの頃、
「この先もずっとV6を守っていきたい」と思っていた。
「･･･別に、今じゃなくてもいいなって思ったんだろうな」
赤ら顔の助監督は、ぱちくりと２回瞬きする。
「は、はい？」
「いや、４０すぎまで辞めなかった理由」
打ち上げの席が一気に静まり返った。
あんなに上機嫌だった若手スタッフたちが、しどろもどろにうつむきだす。
「別に今辞めなくてもいいなって思ったんだよ。もーちょっとこのままでいいかなって。ちゃんと覚えてねえけど」
おさげの監督は「ほぉん」と唸った。
「でも、アイドルなんて柄じゃないじゃない、剛ちゃん。ずっと辞めたかったんじゃないの？」
変化の激しい芸能界。
「SMAP」と「KinKiKids」という化け物に挟まれ、下から新気鋭の「嵐」が迫ってくる。
「仲間といえど、油断すればあっという間に土俵から突き落とされちゃいますよ」。坂本くんがいつかの番組で、笑って言った。顔もトークもユルユルのくせに、言うことだけは一丁前だ。
ーーいや、監督、そうじゃなくてさ。
俺は口をつぐむしかなかった。
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琉夏 - やばいです。ほんとに剛君がこう考えてるんじゃないかって思えてきた (4月18日 23時) (
レス) @page9 id: 1cc564a58b (このIDを非表示/違反報告)
ふき(プロフ) - 私も同じことを考えてました。何故、健ちゃんは出たのか。叩かれるのを承知でいえば、トニが逃がしたのではないか、とさえ思いました。正解はわかりませんがMaoさんのお話を見せていただきたいです。こんなときだからこそ、切に。 (9月16日 23時) (レス) @page7 id: fad25c9c03 (このIDを非表示/違反報告)
Ｍａo - mauさん» ありがとうございます！ (9月16日 22時) (レス) @page7 id: 92189104ea (このIDを非表示/違反報告)
mau(プロフ) - めちゃくちゃ好きです．更新楽しみにしています。 (8月21日 5時) (レス) @page6 id: a03b446b67 (このIDを非表示/違反報告)
Ｍａｏ - ふきさん» ありがとうございます！相変わらずの亀更新ですが、長い目で見てやって下さい。 (2023年1月22日 15時) (レス) id: 684bddb547 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Ｍａｏ | 作成日時：2022年11月18日 17時
