女子力９ 女子は名前で愛示す ページ10
｢仁王！
仁王の、｢に｣は何のに？｣
｢肉体美の｢に｣ぜよ。｣
｢いやお前、
なんの筋肉漫画のキャラクターだよ。｣
｢プリッ｣
-
私の友人から聞いた話で、
お互いの名前の頭文字をとって
良いところを言うのがある事を知った。
とにかく、相手を褒める。
そして自分も褒めてもらう、という
のろけのゲームにしか見えない
アホな行動である。
｢幸村、私の名前で、
愛を叫べー！！！｣
｢え、なんで？｣
｢私への愛を、確かめたいから！｣
｢名前で愛をさけぶなんてバカバカしいこと
俺がやると思ってる？｣
結果、失敗。
私の恋人は、予想以上に
冷たくて、悪戯な愛すら叫んでくれませんでした。
｢じゃあ、
お前が幸村くんの名前でやってみろい。｣
｢そうじゃのう、
お前さんが見本でも聞かしてやれば、
幸村も納得するんじゃないか？｣
｢えー、それでやってくれるとは｣
｢幸村くんの、ゆは？｣
｢ゆ？ゆー……ゆとり世代｣
｢幸村くんが聞いたら、
何言うか俺、だいたい予想ついたぜ…｣
はあ、とため息をつく丸井は
まだなにか言おうとしている皐に、
声をかけようとした。
｢あー、思いつかないわ…｣
｢2分でギブとは早いのう。｣
｢五月蝿いなあ、天才は普だ」
｢あー、バカが五月蝿いぜよ。｣
｢バカじゃないし！
天才過ぎて、周りがついていけてないだけだし！｣
それを空気の読めない、ただのバカという。
このバカは、いつになったら、
自分が馬鹿な発言をしているのか、
気づくのだろうか？
｢じゃあ、仁王！
私の苗字で愛を叫べ！！」
｢いいじゃろ。
最近ウザったいのう。
いつも五月蝿いし、
トンカチで頭でも叩かれたんじゃろうか？
ウザクてたまらんぜよ。｣
｢私に対する、不満と悪口じゃねえか！！
それは｢愛の言葉｣だなんて言わねえよ！！｣
｢俺の愛は、ちょっぴり辛いら大人味ぜよ。｣
｢そんなこと知るか！！
私への暴言は幸村ホイホイだぞ！！｣
丸井はツッコミをすること無く、
この馬鹿なやりとりがいつ終わるか、
待機していた。
｢はあ……ほんと仲良いよな、
お前ら2人って…｣
｢誰のことだい、丸井。｣
｢幸村くん……｣
丸井、自分の発言に
数秒後、公開することとなる…
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作者ホームページ：なし 作成日時：2016年3月22日 17時
