女子力１２ 女子は髪が命 ページ13
｢みてみて！
私の髪の毛、
キューティクルが凄いでしょ！！｣
｢幸村くんて髪の毛綺麗だよなー、
なにか手入れしてるの？｣
｢別に手入れなんてしていないよ。
何もせずにこのまま…かな。｣
｢えー！！幸村部長、
羨ましいっす！
どうやったら、そんな髪に｣
｢絶世の美女を無視するとは、何事かー！！！｣
見てくださいよ、
この黒髪を。
＿
よく女子は、｢枝毛がさ…｣とか、
友達同士で話してることあるよね？
え？私はもちろん大丈夫よ？
少しくせ毛だけど、
黒髪のサラサラストレートだもの。
｢どう？この綺麗な髪。｣
｢日本人形みたいじゃのう。｣
｢うるせえ、白髪。｣
｢に、日本人形とか…くくっ…
仁王先輩、最高っ…｣
お腹を抱えて、大爆笑する赤也
バカにされた。
手入れもクソもない、
くるくるパーマに、バカにされた。
｢うわああああんんんん！！！
手入れもクソもない、もじゃ毛にバカにされた！｣
｢はあー？！｣
｢おーおー、
ケンカすると、真田が怒鳴りに来るぜよ。｣
｢私が妬ましいからって、
そーやって…赤也が虐めるー！！！｣
わざと大きな声で、
泣き真似を始めたのだ。
しかも、部室の窓を全開にして、
テニスコートに向かって。
声を聞きつけた幸村たちが、
勢いよく扉を開けた。
｢仁王に赤也！！
貴様…こんなところでサボっているとは何事だ！！｣
｢で、皐はなんで泣き真似なんてしてるんだい？
バカみたいだから、すぐに止めようか。｣
｢だって、赤也が｣
きっ、と赤也を睨みつけると、
そっぽを向いて、知らん顔。
｢ワカメが私の髪、日本人形みたいだって」
｢たかがそれぐらいじゃないか｣
｢たかが？！｣
｢日本人形とか、どうでも良いよ。
言われたくないなら髪の毛切ったらどうだい？｣
はあ、と幸村はため息をつく。
皐は、黙り込んだまま、自分の長い髪を触る。
それを見て、
ずっと黙っていた柳がら口を開いた
｢せ｣
｢…私、気分悪いから帰る！｣
ベンチの上の荷物を取ると、
幸村にぶつかる様にして、外へ出ていった。
翌日＿
｢おや？
皐さんは、髪を切ってしまったのですか？
お綺麗な髪でしたのに…｣
｢うん、まあ…｣
｢…｣
｢精市、落ち込むぐらいなら、
皐に謝罪してきたらどうだ？｣
長い髪が、好みだった魔王様。
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作者ホームページ：なし 作成日時：2016年3月22日 17時
