満月 ページ8
私の協会に、モンスターが集まると噂になった。
その噂は政府にまで届いて役人が来て私は捉えられた。
「ここにモンスターは来たことがあるか？」
「ないわ。モンスターなんて見たこともない」
「なら、お前が魔女か？」
「魔女なんかじゃない！私はただの人間よ。」
役人と言い争ったすえ私は協会に戻ることになった。
戻ると言っても、
「ーー！っー!!」
猿轡を噛ませられて囮としてだけど。
今日は満月。あの人も来てしまうしもしかしたら魔女や悪魔が来てしまうかもしれない。
来ないで。と思うと同時に来て助けて欲しいと願う醜い私。
ああ、ねぇ個性でも魔法でもいいから_____助けて。
手も布で縛られて猿轡を噛まされて協会の前に立たされる。
協会の影には弓や銃の持った役人たち。
怖い。
屈辱感に震えていると月を背に何かが近づいた。
ざわざわという音声とともに他のモンスターの気配もする。
来て、くれたの？
「Aっ!!」
凄い勢いで近づいてくるものの正体はやっぱり貴方だった。
猿轡の下から助けてと叫んだ。
いいの。
もう信仰も村の人たちの信頼も捨てたから
＿＿__今すぐ私を連れ去って。
バンッ
その音と共に瞳に映ったのは、赤い血を流しながら落ちて行く貴方の姿。
また鋭い音がして魔女や悪魔ような女や男が倒れて行く。
いや、やめて。やだ、こんなの違う、もう。違うのにっ!!
もう助けなんか求めないから、だから、生きて帰って。
「＿＿＿＿＿＿＿っ!!!」
また、私は何も出来ない。
.
「ゆ、夢…？」
最悪な夢を見て朝起きる。どうしてこんな夢…。
まだ手は震えている。
たくさんの大切な人が死んで行く。
そんなの耐えられない。
彼等が死ぬくらいなら、私は死を選ぼう。
そういえば前あった日から随分経った。今日は満月。
予知夢にならないことをただ祈った。
.
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作者名：鬱ネコ | 作成日時：2017年9月15日 22時
