寝待月 ページ12
注意：今回の話には残酷な表現が使われます。
無理な方は飛ばしてください。
「ここにAはいるか？」
「私よ役人さん。次は私を火あぶりかしら？政府も落ちたものね」
そう言い鼻で笑う。
入って来た役人は20人くらい。
でも最後くらいは美しく胸を張って捕まるわ。
そっと震える手を隠した。
「やはりお前が本物の魔女か!!!すぐ火あぶりにしてやる！」
「おい落ち着け。
わかってるなら話は早い。一緒に来てもらおうか」
統率がとれていない様子を見下しながら微笑んだ。
貴方たちは私を魔女と呼ぶけど、私は魔女じゃないわ。
"Aちゃん！"
あんな輝く笑顔が出来るのが魔女だというのなら、私は一生魔女にはなれない。
それでもいいから＿＿＿＿あの人たちともう一度会いたかったな。
ただの他人のはずなのに。
どうして彼等があんなに愛しいのだろう。
.
連れていかれたのは拷問室。
ああ嫌だ悲鳴が聞こえる。自分が今からされることがわかってしまう。
血の跡から目を逸らした。
でも後悔はしてないわ。
「お前は魔女か？」
「いいえ、魔女なんて恐れ多いわ」
ふふ、とわたしはずっと笑っている。
強がりの仮面をつけるため。
相手の尋問官はイラついてるのが分かる。
「少し早いけど実力行使に入るか…」
「お好きにどうぞ」
それからは笑っていられるようなものではなかった。
出したくない涙がポロポロ流れてくる。
爪を剥がされたり針を刺されたり。
「ぅあっ…ぁぁああ！！」
痛い熱い熱い怖い痛い。
「お前は魔女か？」
これにイエスと言えばこの苦しみから開放されるのは分かってる。
でも言わない。絶対に言うものか。
あの子と私が同じだなんて、そんなはずはないのだから。
「違うわっ…！ぁたしは魔女じゃない!!」
「チッ。しぶてーな。じゃあ他の…」
そうまた道具を出すところをみて寒気がする。
思わず叫び出す。
「もういいわよ！！
火あぶりにでもすればいいじゃないっ！
元々私は死ぬ為にここに来たのよ！」
生きるためにここに来たんじゃない。
「魔女だと認めたのか？」
「違うわっ！ただ、火あぶりにすればいいと言ってるの」
「……じゃあすぐに」
火あぶりにしてやるよ、と囁かれた。
そして、明日に私の処刑が決まった。
.
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作者名：鬱ネコ | 作成日時：2017年9月15日 22時
