_28_ ページ29
.
.
「...なあ、手大丈夫..?」
俺は授業中に見てしまった事を一日中考え やっと放課後ふたりでの帰り道で声に出せた
.
.
A「ん?手?何のこと??」
さっぱりとした顔で俺の方を見る。
「筆箱..おちt「あー、あれね!」
俺が言い終わる前に 被せ気味で応える
.
A「なんでもないよ!」
「なんでもない訳ないだろ。」
笑顔で誤魔化すAに少し腹が立つ。
.
A「...ねえ、....もしさ、私が病気で もう死んじゃうって言ったら..どうする...?」
「..え..?」
さっきの笑顔が消え真剣な表情となんとも言えない間が さらに現実味を帯び 俺は黙り込んでしまう_
.
.
.
.
A「....ぷッ..はははっ
ばか、何真剣に捉えてんの!冗談だよ冗談」
沈黙に耐えられなくなったのか いきなり大きな声で笑い出すA
冗談だと、言いながら俺の肩を叩き 歩き出した
.
「ふざけんな...心配したじゃん。」
.
A「心配してくれるんだ(笑)
私はまだまだ死にませーん」
.
一瞬 あんな事を言われ戸惑ったが
嬉しそうに微笑むAを見て さっきまでの不安が一気に飛んでいった
.
そうだよな、
いつも元気で 見る度に笑ってるあのAが
病気で死ぬなんて有り得るわけないよな
.
俺の前を歩くAを見てそう思う。
.
先に歩き出したAと距離を埋めようと
俺はスッキリした気持ちで離れた分 走り駆け寄る。
.
40人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:manaca | 作成日時:2018年8月17日 19時